記録係5【アンナチュラル 】

どこ ページ43

※オリジナル

窓から入ってくる朝日で
目が覚める。
うう…眩しい。頭痛い。

『あれ？昨日…私…？』

お姉ちゃんからの電話の正体が
分かって、イライラして…それで
系さんとお酒飲んで…飲んで…？

『…頭痛いってことは…
久しぶりにやってしまった…？』

お酒を飲んで次の日に
何かしら残る時は酒に飲まれた時。
系さんに何かしてしまったのか。

『系さん…？』

とりあえず謝らなくては。
あたりを見回すとしん…と静かな部屋。
隣の部屋にもいないしお風呂にもいない。

『…嘘』

呆れて出て行ってしまうほどの
何かをしてしまったのか。

なんだか急に悲しくなる
私のわがままで言い合いしたりする事は
あるけど、理由も分からずなんて嫌だ。

『うっ…ひっく…け…系さん。
どこ…？ごめんなさい…ごめん…』

どうしよう。ぼろぼろと涙が溢れる。

すると、バタンと言う音が聞こえる
…玄関だ。
ぼろぼろと部屋の真ん中で泣いてる私に
ぎょっとする系さん。

中「お、おい！Aどうした…！？
何があった！」

『よかったぁぁ…系さん…
出て行っちゃったかと思った…
私、普段酔わないけど
お酒に酔うと大変な事になるって
よく友達に言われてて…
私…系さんに何か嫌われるような事
しちゃったんだって…、』

中「…そ、それは…」

顔を真っ赤にして、ふいと顔を背ける系さん
あああああ。やっぱり。

『何したか分かんないのに
謝るのもおかしいってわかってる。
でも…ごめん。ごめんなさいっ！
…だから居なくならないで系さん！』

中「A、顔上げろ。」

ああ…ダメだ。やっぱやらかしたのね。
嫌われたのね…そしてこんなんで
泣いてるなんて重い女だと思われた。絶対。
下を向いてると「はあ…仕方ねぇな。」と
呆れた声が聞こえる。

中「…A、こっち向け。」

ぐいっと、頭を掴まれ
無理矢理系さんの方へ。
系さんは困ったように笑っていた。

『系さん…？』

中「大丈夫だ。お前を嫌いになんて
なってないし、これからもなることはない。
約束する。だから泣くな。」

『…うぅ…ごめん…ごめんなさい。』

中「だぁぁあ！！クソっ！」

そう言って頭をぐいっと引き寄せて
優しくキスする。

中「そこはごめんじゃねえだろ。」

『うん…ありがとう…
私も…私も系さん大好きっ！
嫌いになんてならない。ずっと！』

そう言って笑うと耳が真っ赤に。
そして、唇をむっと噛んで俯く。

中「分かった…分かったから
その、一旦離れろ。」

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