記録係5【アンナチュラル 】

のまれるな ページ42

※オリジナル

そのまま家に帰ることになった。
事件の真相は六郎くんが
みんなに伝えてくれるそうだ。

家に入れば、玄関でぎゅーっと
私を抱きしめる系さん。

『あ、あの…系さん？どしたの？』

中「…なんだろな。」

首元でボソボソと話す系さん。

『誰に怒りぶつければ
いいか分かんないし。苦しいね、系さん。』

中「…そうか、そうだな。
それで、俺はこんなに苦しいのか」

ぐすっと鼻をすする音が聞こえる。
なんだ、おんなじ気持ちじゃないか。

『系さん！飲もうっ！
もう、お姉ちゃんのスマホ見つかったし！』

中「…酒、あったか？」

『無いなら買いに行こっ！
ほら！今日は飲むよー！』

そう言ってぐいぐいとコンビニへ向かう。
カゴにどんどんお酒を入れて
おつまみもどんどん入れる。

中「買いすぎじゃないか？」

『いーの！！！』

案の定、お会計をしたら
重くて持てなくなった。

『うぐぐ…重い。』

中「…A、持つ。」

そう言って全て持とうとする系さんに

『あのね、一度だけやってみたかったの。
…2人で袋持って歩くの…だめ？』

と、聞けばどんどん耳が赤くなる系さん。
嫌だったかな？

中「…ほら。重くなったら言えよ」

『やった。ありがとう』

えへへ。と言いながら
2人で仲良く家に帰る。

______

中堂さん視点

酒を飲み始めて早1時間。
Aのペースがとても早い。

『けいさーん。おかわりぃー』

…ペースは早いし、色んな種類を飲んでるため
珍しく酔っているようだ。

中「もう、やめといたらどうだ。」

『やらぁー。けいさんとのむのー。』

ぎゅーっと言いながら抱きついてくるA。
だめだ、今Aは酔ってる。
酔ってるだけなんだ。ここで我慢できなきゃ…

『けいさーん。めぇつぶって？』

中「あ？」

そう言ってAを見れば
キスをしてくる。
…まだ目を閉じて無いぞ、俺は。

中「んっ…A…」

『け…いさん…』

ちゅっ…というリップ音ともに
離れる唇。我慢出来ない。無理だ。

中「A、お前からしてきたんだからな。
…文句言うな…っておい。」

Aを見れば
「ぐー」というイビキが。
なんだ、漫画じゃあるまいし！

中「おい、A…起きろっ！」

ゆさゆさと揺らすが起きる気配はない。

中「ああっ！クソっ！」

ニコニコと眠るAに毛布をかけ
俺は隣の部屋へと向かった。

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