記録係5【アンナチュラル 】

反省 ページ32

※オリジナル

『お父さんも知らないって…』

中「…だろうな。」

そう言って、2人でスマホを覗き込む。
着信一件 お姉ちゃんの文字。

『…毛利さんに連絡したほうが良いよね』

中「…まて、A。
公衆電話からかけてみないか？」

なるほど。
それならこちらの素性はバレないはず。

『うん！そうしてみよう！』

明るくレッツゴーなんて言って見るけど
未だ信じられずカタカタと震える身体。

中「…とりあえず落ち着け。」

そう言って、牛乳を温めてくれる系さん。

『ごめ…ありがとう。』

中「ほら、気をつけて飲めよ」

と、マグカップを渡してくれる。

ふーふーと冷ましていると
隣にコーヒーを持った系さんが
どかっと座る。

中「…だれかふざけてんのなら
絶対に許したくねぇ。
…早く犯人見つけるぞ」

『…うん。』

ふざけてるのだとしたら、最悪だ。
人の気持ちをどれだけ踏みにじれば
気がすむのか。

すると頭を優しく撫でられる。
この人のこの大きな手に何度助けられたか。

『…系さん、いつもありがとう。』

中「…ああ。」

2人で、あったかい飲み物で
クールダウンしてから
もう一度着信履歴を見る。
何回見ても変わらない。

中「さてと、あいつに頼むか。」

系さんから「頼む」という言葉が
出てきて嬉しくなる。
昔の系さんだったら…きっと
単独で動いてただろう。

そう言ってスマホを取り出して
連絡をし始める。
ああ、数ヶ月前の系さん見てください。
数ヶ月後の系さんはこんなにも…

中「だから、来いって
言ってるだろ！クソが！」

…変わったのかしら…？

＿＿＿＿
呼んだのは毛利さんではなく

『ろ…六郎くん…？』

六「なんで、僕なのか。」

家にやってきたのは毛利さんでなく
六郎くんだった。

中「夕希子から着信があった。
…持ち物は全て焼いたはずだ。
なんか知ってるか…？」

六「知りませんよ…
僕はもう関係ないんです。」

『だよねえ。
なんで、六郎くん呼んだの…って系さん！？』

中「…A、久部…行くぞ」

ガシッと六郎くんの肩を掴み、
私を抱き寄せる。

『ちょ、どこ行くの！？』

六「ま、まずは警察ですよね！？」

中「…警察は信用ならん」

全く！たくさん助けてもらったのに！

口数→←おばけ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す