記録係。【アンナチュラル 】

幸福 ページ35

『結局金魚は居なかったかー。』

今日はUDIラボの説明会。
受付係の私は説明会が始まれば
暇で暇でしょうがない。

ラボに戻ると、誰もいないしんとした部屋。
所長室にも誰もいない。

『今日は珍しく家に帰ったなあ』

中堂さんも今日は居なかった。
あ、寝袋発見。よくこれで寝れるなあ。
…寝れるのかな？

お邪魔しまーす。と入ると結構寝心地は良いものだった。

＿＿＿

「あら？ここにも誰がいるの？」

ミ「あ！Aちゃん！こんなとこに！」

夕「おサボり娘！起きなさい！」

ん…？あれ？

『うわあ！！今何時ですか！』

夕「そうねだいたいねー」

寝てしまったああ！！！やってしまったああ！

中「何勝手に使ってんだ。寝袋返せ」

『す、すみません。』

「あら。可愛い。こんにちは。」


『私…えっと！その！』

ミ「こちら中堂班の記録員のAちゃん。Aちゃん、こっちは…うちの母です。」

『ミコトさんのお母様！ミコトさんにはお世話になってます！！』

「ミコトの母です。こちらこそいつも娘がお世話になってます。」

はあ…綺麗な人のお母様も綺麗なのか。
弁護士さん。頭のいい人お母様は頭が良いのか。

「少しお話よろしいかしら？」

彼女によると、今日運ばれてくる被害者の
佐野佑斗さんについて。
幸せの蜂蜜ケーキ製造工場で働く従業員の1人。
先日、バイクに乗ってるところを転落して死亡。
過労死なら工場に賠償責任を。
事故死ならバイク屋に賠償責任を。
病死なら病院に賠償責任を。
裁判を起こすためにも調べて欲しいという依頼だった。

お土産の幸せの蜂蜜ケーキをボーゼンと見る夕子さんと六郎くんと所長。

紅茶を入れていた私は、動揺してお湯をぶちまける。

『あちち…！』

それも、明日その三銃士が来ると聞いて
マグカップを落としてしまう。

夕「Aー？大丈夫ー？」

『はーい！大丈夫です！お騒がせしておりまーす！』

心配になった夕子さんが声をかけてくれる。

火傷した手を冷やしながら考える。

『幸せって何だろう…』

六「本当にそうだよね。」

『わ！びっくりした！』

六「あ！ごめん！」

突然の六郎くんに驚いた。いつのまにいたの？

六「…幸せの蜂蜜ケーキを作ってた人が不幸せになる…それでいいのかな」

『変な話だよね。』

六「…Aちゃん、手大丈夫？医務室行こう？」

『これくらい平気だよ。ありがとう。』

不幸せの蜂蜜ケーキ。
これからどうなることやら。
私は不安しかなかった。

脅迫状→←うるさい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す