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予想と違った夏が来る3 ページ21

彼女からも了承を得て、実家の両親にも伝えてあるこの日。ついに彼女を連れて実家に帰ることになった。

電車に揺られ、バスに乗りバス停で降りててくてく歩いて行くこと数分。
「俺の家あれだから。」
俺が指を指すと彼女が笑顔で頷く。

「ただいまー。」
玄関のドアを開けて中に入ると母が出迎えてくれた。
「お邪魔しまーす。」
「あら、いらっしゃい。上がってー。」
この日はついでに実家に泊まることになり、翌日は地元の友達の家でBBQそして東京に帰ることになっている。

みさがうちのお母さんに差し入れをしてる間に靴を脱ぐ。俺も東京からお土産を買って来ていたので渡して洗面所に行き、手洗いとうがいを済ませる。

みさには紙コップを渡してあげました。

そしてリビングへ。
「母ちゃんにも父ちゃんにも話してあったけど彼女のみさとさんです。」
俺が紹介するとみさがぺこりっとお辞儀をして言った。
「みさとです。芸術家をやってます。よろしくお願いします。」
実家の両親には彼女が元アイドルであり、アイドルを辞めてから交際に至った経緯も話しているのでわかってくれた。
この日は土曜日だったこともあり、父も仕事休みだった。
「あのさ、俺の町を案内したいから連れて行ってもいい?」
「いいわよ。2人で行ってくればいいじゃない。荷物はそこに置いていいからね。」
俺と母ちゃんのやりとりの後、荷物を置いて必要最低限のものだけ持つと実家を後にした。

「優しそうなご両親だったね。」
「今わな。学生時代は色々怒られたけど(笑)まぁ、それも思い出かな。まずはバスに乗ろう!」
バスに乗りながら行き先を話す。

「まずは原田泰治美術館に行こうと思ってるんだ。芸術家のみさにぴったりかな?って思って。原田泰治さんは諏訪市を代表する画家の人でもういないんだけどさ、風景画をたくさん描いて有名になった人なんだよ。また絵本も多数出してるしな。そしたら味噌工場に行って味噌ソフト食べるんだ。」
「うん、楽しみ!」

そして原田泰治美術館に到着して色々と絵画を見て回った。
「原田泰治さんって日本の風景も大事にしてるけどニューヨークのタイムズスクエアの絵を描いたこともあってさ。」
「なるほどね。みんな顔がなくてのっぺらぼうみたいだね。」
みさが驚いて言う。
「そうなんだよ。人って色んな感情とか表情があるから自由に感じ取ってほしくてあえて顔を描かなかったみたいだよ。」
「なるほどね。」

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作者名:kurumikan212 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kurumikan29/  
作成日時:2023年11月10日 23時

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