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冷めて温まる不思議なもの ページ38







ピストルの音と同時に走り出す走者たち。


やっぱり彼が一番カッコイイ。




ほら、ぶっちぎりでお題の紙を拾いにいったでしょ。







中身を見て固まる彼。



どうしたんだろうと思いながら、もしかしてと思って心臓が嫌な音を立てる。




けれど、もし"それ"なら迷わずあの人の元へ行くはずなのに、何かを迷っているように見える。





そして、何かを決意したような顔でお題の人のもとへ向かう。









「せんぱい、!」




ほーら、やっぱりね。



やっぱりあの先輩には勝てないみたい。





私が勝手に闘争心を燃やしても届かない。

きゅっと握りしめた手のひらに気付かないふりをして、ほかの走者を見る。






気づいちゃダメだ、もう終わったんだ。









「……あ、A!!黄瀬くん走るよ!」






『本当だ。がんばれー』







ピストルの合図とともに走り出す、





あれ、速くない?




莉犬も速い方だけど、黄瀬くんはもっと速い。









「黄瀬くんってあんなに速いんだね。びっくり」




『うん、ほんと』









拾った紙を見て、少し考えながらこっちを見てくる。






「なんかこっち見てない?」





『うん、どうしたのかな』









そのまま走ってきて私の前に来る。








_______「一緒に来てください…!!」







なんてあまりにも真っ赤な顔で言うから、こっちまで胸がドキンってなった。







返事をする間もなく手を引かれトラックに走りでる。







周りの歓声なんか聞こえない。ただ私の手を引いて目の前を走る彼を見ていた。





結構身長高いな、とか手が大きいな、とか。








そんなことを考えているうちにいつの間にか1位でゴールテープを切っていたそうだ。

紺色ジェラシー→←波乱の体育祭の幕開け



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胡桃。(プロフ) - alice roseさん» コメントありがとうございます!文の書き方にはとてもこだわっているのでそう言っていただけると嬉しいです。これからもこの作品をよろしくお願いします! (2021年3月16日 17時) (レス) id: f67a1b0d95 (このIDを非表示/違反報告)
alice rose(プロフ) - 文の書き方がとても素敵で大好きですっ!無理せず更新頑張って下さい♪(●´ω`●) (2021年3月16日 8時) (レス) id: b029b97bf5 (このIDを非表示/違反報告)
胡桃。(プロフ) - 月風さん» コメントありがとうございます。儚く過ぎ去ってしまうような、花のよう。とても素敵な表現をしていただきありがとうございます!私の表現が月風様に伝わっていて良かったです。これからもこの作品をどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年3月9日 23時) (レス) id: add3e6f906 (このIDを非表示/違反報告)
胡桃。(プロフ) - バナナくんが尊い!!さん» コメントありがとうございます。神作だなんてとんでもないです!甘酸っぱい青春、切なさなどを感じていただいてとても嬉しい限りです。これからもこの作品をどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年3月9日 23時) (レス) id: add3e6f906 (このIDを非表示/違反報告)
月風 - すてきな作品ですね。儚く過ぎ去ってしまうような…花のようでとてもすてきですこれからも無理せず更新がんばってください! (2021年3月9日 22時) (レス) id: 7d237fbbac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡桃。 | 作成日時:2021年3月1日 0時

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