ノスタルジーの窓辺【赤】【黄】

ただ一つ願いが叶うなら ページ36

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「それでは2年B組と3年A組は救護係でお願いします」







「はい、僕頑張りますね…！」




「は〜い」




『……はい』









誰か桃瀬さとみって人の頭を救護してくれない？え？おかしいでしょ。







「Aちゃん、よろしくな〜」





『よろしくしたくないです』




「はぁ〜？俺と同じ救護係だぞ。もっと喜べよ」






『唯一の救いは黄瀬くんがいることです』






「僕ですか、」





「Aちゃん、番犬の次はこいつ〜？お前、あのときの転校生か」









「番犬…？」






『……もういいですか。会議終わったのでもう帰ります』






「あれ、怒らせちゃったか。まぁ、いいや。楽しくやろうな」





あなたのおかげで楽しくなる気がしませんね。









「ついてない女だな、」





『っるさい、まさか本当になるとは思わなかった』





「まぁ、仲良くやんなよ」





『仲良くしたくないです』






莉犬といつもの帰り道。


彼との距離も、彼の屈託のない笑顔もいつもと変わらない。






だからこそ、そんな彼を今でも目で追ってしまう。









『アイス、たべたい』





「なんだよ急に〜。しょうがないなぁ」





『やった、！莉犬の奢りね〜』





「はっ！そこはAだろ〜！！」





ちょうどいい距離感はまだ掴めない。




ただ一つ、願いを叶えてもらうのなら


永遠にこの時間を君と過ごせますように、






と、ささやか？いや、壮大な願いをするよ。

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