言葉では言い表せられない ページ23
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nanamori side
「雨やまへんなぁ」
「そうだね。むしろ強くなってるね〜」
「今日はファミレス寄ろうや。雨宿りがてらに」
「そうだね。俺、あの辛いラーメン気になっててさ〜」
「なーくん本当に辛いもの好きやねんなあ」
想像していたらお腹が空いてきた。今日はこのまま夕飯にしよう。
ppppp…
「なーくん？」
「あ、俺だ」
誰かから着信がかかってきた。
確認すると莉犬くんからだった。
「莉犬か〜、なかなか電話してこうへんもなあ」
「ちょっとごめん…」
「もしも〜し」
「ごめん、忙しいときに」
「大丈夫だよ〜。なんかあった？」
「おれ、っ」
弱々しい声が携帯越しから聞こえた。
これは緊急かもしれない。
一度ミュートにしてジェルくんに話しかける。
「ごめん、ジェルくん。先ファミレス行ってて」
「ん、わかった」
「ごめんね」
「ええよ(笑)」
「……うん、ゆっくりでいいよ」
そして莉犬くんから何があったのか聞いた。
話を聞いてみればあの幼なじみちゃん関連のことだった。
"喧嘩した"という簡単な言葉では言い表せられない内容。どちらかが悪いという訳でもなければ、どちらかが悪くないという訳でもない。
莉犬くんとAちゃんは幼なじみよりももっと先の関係。その関係をなんと言えばいいのか、俺にも分からない。
あの様子から見ればAちゃんの一方通行の想いが莉犬くんに向いている。
片や莉犬くんはうちのクラスの堀さんに恋をしているとかなんとか。
彼の様子を見ればまぁ、恋だろうと思う。
それならAちゃんに対してはどういう感情をもっているの？
＿＿＿＿＿＿君は彼女に向き合わなかった。
それが一番の答えだと思う。
近いけれど遠い距離。お互いのことをなんでも知っているようで根本的なことは何も知らない。そんな関係をずるずると引きずっているあの二人。
「莉犬くん、かまそ？」
俺にはどうしてもその言葉で後押しすることしかできない。成功する保証なんてどこにもない。
携帯をしまった後、妙に雨の匂いが強く香った。
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胡桃。(プロフ) - alice roseさん» コメントありがとうございます！文の書き方にはとてもこだわっているのでそう言っていただけると嬉しいです。これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2021年3月16日 17時) (
レス) id: f67a1b0d95 (このIDを非表示/違反報告)
alice rose(プロフ) - 文の書き方がとても素敵で大好きですっ！無理せず更新頑張って下さい♪(●´ω｀●) (2021年3月16日 8時) (レス) id: b029b97bf5 (このIDを非表示/違反報告)
胡桃。(プロフ) - 月風さん» コメントありがとうございます。儚く過ぎ去ってしまうような、花のよう。とても素敵な表現をしていただきありがとうございます！私の表現が月風様に伝わっていて良かったです。これからもこの作品をどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年3月9日 23時) (レス) id: add3e6f906 (このIDを非表示/違反報告)
胡桃。(プロフ) - バナナくんが尊い！！さん» コメントありがとうございます。神作だなんてとんでもないです！甘酸っぱい青春、切なさなどを感じていただいてとても嬉しい限りです。これからもこの作品をどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年3月9日 23時) (レス) id: add3e6f906 (このIDを非表示/違反報告)
月風 - すてきな作品ですね。儚く過ぎ去ってしまうような…花のようでとてもすてきですこれからも無理せず更新がんばってください! (2021年3月9日 22時) (レス) id: 7d237fbbac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：胡桃。 | 作成日時：2021年3月1日 0時
