幸せってなんでしょう ページ19
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"「俺は君を幸せにできない」"
その言葉を聞いて確信した。
『いつから気づいてたの?』
「んー、わからない。俺がただそうかもしれないって思っただけ」
雨の音が聞こえる。こんなときに演出も完璧にされたのか。神様って意地悪だな。
『……もし事実だったら?』
「言ったでしょ。俺は君を幸せにできない」
『その幸せって誰が決めるの?』
「___さぁ、誰だろうね」
『少なくとも私は幸せだって思えるよ』
君の言う幸せは私の思う幸せじゃない。彼が思うものは私とは違う。
「っ、こんなことされても?」
腕を強引に引き上げられ、リビングのソファに押し倒される。
そこには甘い雰囲気なんて漂っていない、はたからしたら暴力にも見える。
「っねえ、怖いんでしょ」
『怖くない、っ!幸せだよ』
「っ、くっそ、!」
視界から莉犬が消えたと思ったら、首筋に痛みがはしった。
『っ、た』
何してるの、
「っほら!俺のこときらいになれよ…!」
『ならない…!どんな莉犬でも好きだもん!!』
オッドアイの瞳が揺れる。
徐々に正気を取り戻したのか、私から遠ざかる彼。
その瞬間、頬に温かい水滴が落ちてきた。
間違いない、莉犬の涙だ。
「俺、っ……ごめん。今日は帰って、っ」
弱々しい声でそう告げられる。
『わかった』
おかしいな、朝まであんなに幸せだったのに。
今は彼と居ても上手く笑えないや。
荷物を手に取り、莉犬の家から出ていく。
雨はさっきより強くなっているようだ。
『これなら涙も雨に紛れてわからないね』
冷たい雨に打たれながら、温かい涙を流し続けて帰路につく。
心はこんなにも冷えきっているのに、温かい涙が流れるのはどうしてなんだろうね。
『っ、』
_________「Aさん…?」
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胡桃。(プロフ) - alice roseさん» コメントありがとうございます!文の書き方にはとてもこだわっているのでそう言っていただけると嬉しいです。これからもこの作品をよろしくお願いします! (2021年3月16日 17時) (レス) id: f67a1b0d95 (このIDを非表示/違反報告)
alice rose(プロフ) - 文の書き方がとても素敵で大好きですっ!無理せず更新頑張って下さい♪(●´ω`●) (2021年3月16日 8時) (レス) id: b029b97bf5 (このIDを非表示/違反報告)
胡桃。(プロフ) - 月風さん» コメントありがとうございます。儚く過ぎ去ってしまうような、花のよう。とても素敵な表現をしていただきありがとうございます!私の表現が月風様に伝わっていて良かったです。これからもこの作品をどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年3月9日 23時) (レス) id: add3e6f906 (このIDを非表示/違反報告)
胡桃。(プロフ) - バナナくんが尊い!!さん» コメントありがとうございます。神作だなんてとんでもないです!甘酸っぱい青春、切なさなどを感じていただいてとても嬉しい限りです。これからもこの作品をどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年3月9日 23時) (レス) id: add3e6f906 (このIDを非表示/違反報告)
月風 - すてきな作品ですね。儚く過ぎ去ってしまうような…花のようでとてもすてきですこれからも無理せず更新がんばってください! (2021年3月9日 22時) (レス) id: 7d237fbbac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:胡桃。 | 作成日時:2021年3月1日 0時