◆ロベイラ種 １ ページ8
ｻﾞﾗ「……まあ、あの子たちはあとで何とかするとして。お嬢様のほうは、もう準備は大丈夫ですか？」
『うん。もうお風呂にも入ったし、髪も綺麗に梳いたわ。どう？』
私は立ち上がると、身だしなみを点検してもらうべくザラの目の前でくるりと一回転して見せる。
ｻﾞﾗ「ふふ、ばっちりみたいですね。もう少ししたら、お嬢様の準備にメイドを何人か呼びましょう。」
『うん、お願いね。』
ｻﾞﾗ「それまでは、くれぐれもおとなしくしていてくださいね。」
『わかってるわよ。もう、ザラったら心配しすぎ。私が何かやらかすとばかり思っているんだから。』
ｻﾞﾗ「お嬢様が、どれほど今日を楽しみにしていらしたのか、心得ていますからね。あんまりはしゃぎすぎて、転んで怪我でもされたらどうしようかと。」
『むー……。……ねえ、ザラ。私が今日でいくつになるかわかってる？』
ｻﾞﾗ「ええ、わかっていますよ。お嬢様の１６歳の誕生日を祝うパーティーという名目で、招待状を大量に書きましたからね。ええ、それはもう大量に。」
『…………。……なんとなく、トゲがあるように聞こえるのは気のせいかしら。』
ｻﾞﾗ「ふふふ、別にトゲなんてありませんよ。お嬢様が駄々をこねまくった結果、こうして準備に追われているのだとしても。僕は決してお嬢様に不満などありませんとも。ええ、もちろん。」
『…………。』
優しい笑顔で、チクチクと私の良心をつつくようなセリフを吐くザラから、そっと視線をそらした。
余計な仕事を増やして悪いとは思うけど……。
私には私の事情があるのだ。年に一度の我儘なのだから、大目に見ていただきたい。
ｻﾞﾗ「……ふふ、お嬢様の気持ちもよくわかりますよ。」
『え？』
ふと、ザラの声のトーンが柔らかくなった。視線を戻した先で、ザラが目を細めて笑う。
……ザラにはかなわないわ。
意地の悪いことを言うくせに、こうして一番効果的なタイミングでザラは私を甘やかしてくれる。
ｻﾞﾗ「やっと……、ですからね。」
『……うん。やっと、だわ。』
やっと、外に出ることが出来る。
そう。
私は、物ごころついた時から、この塔から外へ出たことがない。パールやリッチー、そしてザラやその他の使用人たちに囲まれて、この塔の中でずっと暮らしてきたのだ。
欲しいものや、必要なものは何でも手に入る。
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フフカ - はい!まってます今日もご苦労様でした。(^∀^#← (2016年4月13日 5時) (
レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます！ そうです、前とは少し内容を変えて書いてみました！！ よくわかりましたね(^○^) これからも頑張りますので楽しみにしていてください！！！ (2016年4月12日 22時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - こんなに遅くからご苦労様です なんとなく今日も来ちゃいました!似ている小説だけど前とは違うので読んでます前より詳しく書いてあるのでとても分かりやすいです(#°∀°♭ 明日もまってまーす(笑) (2016年4月11日 22時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます！ 頑張ります(^○^) (2016年4月10日 20時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - 分かりましたありがとうございます誰オチにするか決まったら教えてください これからも毎日応援してます!!ガンバﾃﾞｽ (2016年4月10日 19時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒメア | 作成日時：2016年3月9日 20時
