No.17 ページ17
そらるside
どれくらい経っただろうか
身体を動かす気にもなれなくて、ただ呆然としている
こんなことになるなんて誰が予想した
もし、神様なんてのがいるなら今すぐ時を戻して欲しい
俺はただAとずっと一緒にいたいだけなのに……
そらる「神様なんてくそくらえ……ッ」
「今更なに言ってんですか！ほら！」
突然降りかかってきた声と差し出された手
視線をあげるとそこには、息をきらしたまふまふがいた
状況が飲み込めなくて、なんで……？と口にするとまふまふは待ってましたとばかりに口を開く
まふまふ「相棒ですから！！」
キラキラとした笑顔でそう言うまふまふ
そうだった、こいつはこうゆう奴だった
でも……
そらる「いや、そうじゃなくて。どうやって家に入ってきたの？鍵は？」
そらるさん、そっちの方が気になる
聞かれたまふまふはさっきまでの笑顔は何処へやら、散々言い淀んだ後笑って誤魔化した
え、やだ。怖い
まふまふ「もう！せっかくかっこつけてたのに台無しじゃないですか！！」
半ば八つ当たりのように騒ぎ出すまふまふ
そんな彼の名前を呼び、手を伸ばせば すぐに差し出される手
その手をしっかりと掴んで立ち上がる
そらる「かっこいいよ。まふまふは。俺なんかより断然かっこいい」
柄にもなく走ってまで俺のところ来てくれたもん。かっこつけなくたっていいのに
見開かれた瞳で俺を見るまふまふ
その瞳はなんでか潤んでいて……
そらる「なんでお前が泣いてんだよ」
空いた手でポンッと頭を触るとまふまふは袖で目をゴシゴシとふきだした
まふまふ「別に！泣いてませんもん！！僕はそらるさんに褒められたところで泣きませんもん！ほら、行きますよ！？」
まふまふはそう弁明しながら俺の手を引いてリビングへ向かった
あいつの背中は、いつの間にかこんなにも頼もしくなったんだな
なんて、おじいちゃんみたいだな……俺
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