コーヒー時々オムライス

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ミーティングルームに入る

別に席が決まってるわけではないのに

いつも
みんな同じ席に座る

「じゃあ、ミーテイング始める」

部長のその第一声で、みんなの表情が
真剣になる

「来週の定例会議で他の部と話しあるんだけど・・・」

みんながタブレットに目をやる

部長の声を聞きながら、
真剣に・・・


と思いながらも
どうしても私の中で、フィードバックしてしまう

昨晩の部長は当たり前だけど
今まで見た事のない表情で
聞いたことのない声で

そして感じた事のない身体だった

優しさの中に激しさもあって
アルコールで満たされた私の身体と感情は
自分でもビックリするくらい反応していて
そして心地良かった


私がご無沙汰だったというのもあるのだけれど
でも、たぶん・・私史上最高に良かった

もう1度・・・したいって思ってしまう

そんな夜だった



私は一つため息をつきタブレット越しに
話ている部長を見る


部長の指には、きちんと指輪が元に戻っていて

それが

ズキンと心を痛めた


そう、これが現実
あれはただの気の迷いで、
そして、一夜の遊び

もう2度とはない


はぁ・・・



「今井〜」

「は？」


「は？じゃねぇし」


顏を上げると
部長が私を見て不適に笑う


「え？」

「え？でもねぇ、
話聞いてる？」


「もちろん、聞いてます」


「なんだか、めずらしく
寝不足そうだな」

と意味ありげにそう言った部長に

「いえ・・・・これは」


「あぁ、A朝帰りだもんね」

「はい？」


横でニコニコと罪のない笑顔で答える
雅紀

「ちょっとっ」


すると、部長も
「ふーん、朝帰りねぇ
どおりで眠いわけだ」

「あの・・・いえ
ちょっと雅紀？」


すると、横にいた後輩が

「相葉さんとすか？」


「違うわっ」


と思わず声を出す


「なんだろ、今、俺全否定されちゃったんだけど」

「全否定するわ
もう、みんな勘違いしないで、
友達と飲んでただけだから」

「男ですか」

「刺すよほんと」

「今井さん怖っ」

「男だったら、
もっと気を付けますぅ」



うちの部、特にこの課は仲がよくフランクだ

フランクなのはわかる
わかるけど
私の心臓は、ヒヤヒヤしていた



「ふーん、男じゃないんだ」

と、両指を組み、テーブルに肘をつき
意味ありげに私を見た部長・・・

・・・

・・・

「違いますっ
部長までからかわないでください」

「からかってねぇし、ご指摘したまでですが？」

とニヤリと笑う
私は
まるで蛇に睨まれたカエルだった

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