コーヒー時々オムライス

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バスルームに入り、
覆ってたシーツを取る

何もつけていない裸の自分が鏡に映る

昨日のアルコールや、
化粧を落とさず、そのまま抱き合い、そのまま眠ってしまったのに

そこに映し出された私は
明らかに昨日の姿とは違って見えた

すっきりした顔立ち
心なしか丸みを帯びたバストライン
そして、微かに縊れたウエスト

「・・・女性ホルモン全開」

女は抱かれて綺麗になるって本当だな

それに、最近、まったく男っ気が無かったから
そのギャップが私には大きな刺激になったのかもしれない



ん・・・

私は胸元が紅いことに気づき、
鏡に近寄る

キスマーク？

微かに赤くなったその場所を、指で触れる

心の奥で、キュっと音を立てる
その気持ちがまるで10代の頃のように

甘酸っぱく感じる


部長は無意識につけたのだろうか・・・

もう1度鏡を見る
思わず嬉しさが顔に出てしまう


「子どもじゃないんだから、何期待してんだ私」

そう思いなおし、
急いで、バスタブに入り、
シャワーのコックをひねった


「そう・・・これはオトナの遊びだ
割り切らないと・・・
それに部長は・・・」


さっきまで、嬉しかったはずなのに
途端に現実をみる


いつもより熱めのお湯を、身体で浴びる

そう、これは一夜の出来事
オトナの遊びだ

これ以上深入りしちゃいけない
それに、好きになってもいけない

彼は・・・そう
私の上司


そう思うとズキンと今度は胸が痛くなる

ややこしいことになって、
今より不幸になるの目に見えてる

わざわざそんなところに足を突っ込まないのが
正解

いいじゃない
たった１回で、
私・・・綺麗になったんだから、
こんなラッキーなことないわ

うん・・・

そう

そう思うことにする




着替えて、髪を乾かし
フルメイクはできないけれど、
持っていた化粧道具で顔を整える


髪は巻けないから、
カバンの中に常備してるシュシュで
少しだけアレンジを入れ、束ねる


フルメイクじゃなくても
今日の私はやっぱりいい感じだ


そっとバスルームを出ると
部長は、まだ眠っている

顔を合わせるのは
少し恥ずかしいし

それに、ここにこれ以上いたら
私の心が勘違いを起こしてしまう


早くここから出た方がいい


「部長・・・私、仕事やり残したことあるので
先に出勤しますね」

と、うつ伏せのまま反対側を向いてる部長にそう言って
立ち去ろうとすると

バッと腕をつかまれる

「ひっ」

驚いて変な声がでる

「何？逃げちゃうの？」

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