コーヒー時々オムライス

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「認めてないよ、
逆にそんな相手がいたら、
紹介して欲しいわ」


「じゃあ、俺でどう？」


「それはヤダ」

「即答しないでよ
俺、絶対楽しませてやれる自信あるんだけどなぁ
あ・・・そうそう、
こないだの資料ありがとね
Aのおかげで、
いい仕事できたよ・・・」


「そう、良かった」

「でさ、お約束通り、
今日さ飯連れってってあげるよ
夜、予約いれとく？」


そう言って満面の笑みを浮かべて、
誘ってくれた雅紀


すると

「相葉〜ちょっといいか」


と部長が雅紀を呼んだ・・・


「あ・・すぐに」

そう言ってデスクの上をササっと片付けた雅紀

それと同時に
私のPCがピロンと音が鳴り



「仕事届いたかな」

とつぶやくと

「あ・・・A？
あとでまた続き話すね
ごめんね」

と、また雅紀は笑顔をくれたけれど
私は明らかに、固まっていたと思う・・・


だって、
音と同時に上がってきた
社内チャットのポップアップが
仕事ではなく
部長からのもので


『約束守らないなら
どうしよっかな』

と画面右端に現れていた


「部長すいません、
報告遅れました、えっと・・・今回・・・・」


遠くで、雅紀が釜山での報告をし始める

私は、誰にも見られまいと
すぐに、そのポップアップを消す

トクトクと早鐘のようにうつ心臓


それは、この間の残業の時のように
低い声で私の耳もとでささやかれてるみたいだった


そして、私の唇は
あの感覚を思い出す


思い出すと同時に熱くなる私の身体


これ以上考えるときっと
雅紀じゃなくても
他の人にも言われそうだ


私は、すぐさま仕事の続きに着手する

確かに、こんな熱くなる思いなんて、
ここ何年も無かったから・・・


さっき部長がいつもと違って見えたのは、
部長もまたそうなのかも
と、つい部長と雅紀が話している方を見てしまう


・・・

・・・

いや、でも違うな
だって、私と共にしたあの晩から
昨日も変わったように思えなかったもん

今日になってそう思えるってことは


・・・
・・・

そっか
そうだよね

私みたいに遊びで抱いたんじゃなくて
本当に愛する人と抱き合ったってことだ


やめよ

うん


考えるのはよそう


私は、モクモクとPCを打ち始めた

でもなんだか、落ち着かなくて
私は、一旦気分転換をしようと

こっそり財布を持ち立ち上がった


うん、コーヒーで
一旦リセットしよう


私は、席を離れ、
エレベーターホールに向かった

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