コーヒー時々オムライス

天気のせい ページ1

「コーヒー時々オムライス」

朝起きて、スッキリしないことも
鏡に映った自分がかわいくないことも
トーストを焼こうとしたら、パンを切らしていたことも
パンプスが、思ったよりしっくりこなくて、脱げそうになってしまうことも

そして、変わらない満員の電車に揺られることも

そう・・・

これが私の日常


そして、この憂鬱なのは、きっと・・・
この曇り空のせいなんだと

満員の車内の隙間から、窓の外を見上げた・・・


そして、駅に着き
会社近くのコーヒーショップでコーヒーをテイクアウトする

そこのお兄さんが、何かいってくれるがまま

「じゃあ、それで・・・
あ・・・」

砂糖とミルクはいりません

と言おうとする前に

「ブラックですよね」

と言われ

私も
「え・・あ・・はい
ありがとう・・ございます」


と朝から誰とも話さずきた
第１声が、あまりにも掠れていて
それすら自分にガッカリする

スマホを出し、それで決済すませ
私を店を後にした

学生時代、あれだけ自由でおしゃれして遊んで
それでも時間が足りないって思っていたけれど

それは今も同じ・・・
気が付けば、夜で・・・
気が付けば月曜日

私何をしてたんだろう・・・とすら思う


「おはよ」

そう言って、会社のビルのエントランスの前で、
同期の萌絵が私の肩を軽く叩いた

「もう、さっきから何度も呼んでるのに
A、何も気づいてくれないんだから
ムシされてるのかと思った」


「そんなことないよただ・・・」

カバンからセキュリティカードを出そうとすると
見当たらず
私は、カバンを覗き込む


「ただ？」

「あぁ、萌絵ごめん、私もしかしたら、
ネイキッドで、カード落としたかも」

「え？ヤバいじゃん」

「そこ以外カバン開けてないから、たぶん・・・」

「遅刻するよ」


私は、左手首を見る

「遅刻と始末書なら・・・遅刻をとるわ
萌絵、課長にうまくごまかして」

「はぁ？」


私は慌てて踵を返し
そして、さっきいった
コーヒーショップまで戻る

パンプスが脱げそうになるから、
自然と指がキュっと力が入る

そのうえ走れない

最悪だ
歩いて行ってもたかだか
５分もかからない

わかってる

でも、この時ばかりは遠く感じ
もうこのまま帰ってしまおうかとすら
頭に過る

すると、そのコーヒーショップの店の前で
白いワイシャツにギャルソンエプロンを持った
さきほどの店員が、

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