追想-TUISOU-１０ Secretな彼女番外編 (ページ47)

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「私に子どもがいたこと？」

「あぁ」

「そりゃ、この歳だから、いてもおかしくないんじゃない？」

「そうだけど、問題は」

「闇の中」

「闇の中にすんなよ、
少なくとも、10年前、俺はリンはつきあってる」

「付き合ってないよ」

「あぁもうほんとおまえバカ？」

俺がリンを見ると

「あはは、ごめんごめん
あまりにも翔が動揺するからちょっとからかった」

「からかった？」

「安心して？父親は誰か言えないけど
まぁ、こっちでは結婚という概念がかなり薄いから」

「どういうこと？」

「あぁ、何ていうんだろ、日本では
内縁？そうそんな感じ、
こっちでは、女性も自立してることが多いから、
パートナーとして付き合う、
もちろん、一緒に住んだり？住まなかったり？
それでいて、もちろん、子どもを持ったり持たなかったり
結構自由
それには、もちろん、負担がかからないように
制度がいろいろあるからこそなんだけど、
どうやら、私はそれに感化されたらしい」

「感化？」

「まぁ、うーん、あんまり言いたくないんだけど
許嫁の彼とは実は籍もいれなかったし、その・・・そう言う関係にもならなかった
だって、お互い好きじゃないんだもん
苦しめるだけで、そんなの今の時代にそぐわない」

「ちょっと待って、じゃあその人の子どもでもないってこと」

「そうね、彼は今ごろ
ステキな家族を築いてるんじゃないかなぁ
知らないけど」

「ごめん、じゃあ・・・」

そう言うと、
リンは俺の口に指を置く

「これは国家機密、こっちではよくあること」

「は？」

「でも、Leoが生まれてきてくらたおかげで
私は、一人じゃないし、生きるカテゴリーが増えたし
あと、結婚しなくても、家では誰も文句言わない
まぁ、願わくは本当は女の子もほしかったんだけどなぁ
なんて」

そう言って俺の口から指を離した

「そんな顔するから
意地悪したくなるんだって。
なんだろ、さっきもさ、いったけど
運命の悪戯ってあるんだなって思ったから」

「どういうこと？」

さっきまで笑ってたリンの顔が真面目な顔をする

「だって、もしよ
もし、あの時、
ここで別れなかったら大変なことになってたかもしれないでしょ？」

「どういうこと？」