追想-TUISOU-１０ Secretな彼女番外編 (ページ46)

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俺は思いもしなかったこの状況に
正直動揺が隠せず
俺は
リンをジッと見た
たぶんそれは一瞬のことだったのだろうけど
俺には時間がまるで止まってるかのようで
その間にいろんな思いが張り巡らせる

言葉が出てこないってこのことだ

「嘘だろ」

ようやく出てきた言葉が
これだった・・・

「嘘じゃない」

「ちょっと待って」

「何を？」

「何を？」

少しパニックになる俺は
リンの言葉をそのままオウム返ししてしまう

「何、翔が焦ってるのよ」

「あ、いや、焦るだろ普通」

10年前の細かい記憶なんて曖昧で
ただ、思い当たる節はいくらでもある

「どうして言わなかった」

「逆にどうして言わなきゃいけないのよ
別れた彼氏に」

淡々と言うリンに

「いや、これは大事な事だろ」

「そう？
あ、さとみは知ってるよ」

「え？
俺。さとみに会ったけど、言ってなかったぞ」

「別にさとみから言う必要無いからでしょ
あぁ
そう、さとみとホテルで密会みたいになって
すったもんだあったんだって？」

「あぁ、あったけど、
あれは、誤解だし
いや、誤解じゃない
いや、誤解」

「翔、落ち着こうか」

と、大爆笑するリン

「落ち着いてって
さとみのことは誤解だった
まぁ、おかげで2人目は危うく早産しかけたけど」

「さとみも反省してたよ・・・
2人きりでホテルは・・・
さすがに誤解を招く
しかも、
さとみに手をだしたらダメでしょ翔も
私が引くわ」

「出してねぇ・・・だから、それは誤解だって」

「私に弁解されても・・・
それこそ関係ないし。あははは」

大笑いするリンに

「いや、それは
リンには誤解を解いておきたい」

動揺している俺の言葉は支離滅裂で
とりあえず、今の状況をキチンと聞いて
それから今後どうするかだ
と、一応どこか冷静になる俺もいて

「いや、そんなことより
Leo君？」

「あぁ、Leo？
私にソックリでしょ」

「は？」

「あ、そうだよね、こっからじゃ
顔まで見えないか」

「え？」

「え？」

そう言って今度は、俺の言葉を
わざとオウム返しをして
ケタケタと足をバタつかせて笑うリン

「え・・・」

「あははは、翔ってさ、ほんと昔から変わらないね」

「ちょっと待って、父親誰？
10年前ってさ俺、ここで会ったよね
で・・・」

「内緒」

そう言ってワインを流しこむ

「あぁ、良い感じに楽しくなってきた」

「俺全然、楽しくねぇけど、
今、俺、ごめんかなり衝撃くらってんだわ」