追想-TUISOU-１０ Secretな彼女番外編 (ページ15)

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俺は、
リンの顔をだしている扉に近づくと
そこは、バスルームになっていた

日本と浴室同様
バスと、シャワーが設置されていて

「こんな所にあるの？
だってここクローゼットの中じゃん」

「あぁ、うん、けっこうフランスの間取りって、
生活動線重視だから、寝室、ウォークイン、バスルーム、そしてさらに奥がランドリールーム
で、外に出て干すところがあるのね、これが大体１つのレーン
ちなみに、さっきタクシーをつけてもらったのはエントランスなんだけど、
ガレージから普段入るのね、
扉をあけたら、セラーになってて、
そこに買ったものをストックして、そのままキッチンに入るみたいな
意外と、時間を無駄にしない考え方なのよ」

そう言って笑った

なるほど

「じゃあ、このシャワーは、
そんな雰囲気に流されながら、
シャワー浴びて、そのまま流れで寝室でシちゃうようにか
それとも逆か、終わったあとにシャワーを浴びに行くみたいな？」

「は？バカじゃない？っていいたいところだけど
それも一理あるかもね
でも、まぁ外国は、寝室とバスルームが隣り合わせのパターンは多いよね」

そう言って笑った

「じゃあ、実践してみる？」

「バカ・・・しない
もう、大人なんだから、そこはそろそろ一線を」

「引かないね」

そう言って、俺はリンに詰め寄りキスをした

でもリンは、すぐに

「やめて」

と軽く俺を拒んだ

「翔・・・
もうやめよ？」

俺を見て悲しい顔をしたリン

「どうして？」

「もう・・・私たちとっくに別れてるの
３年も前に
このまま身体だけの関係を続けるのはお互いに
ナンセンスだと思う」

すっかり忘れるところだった
どうして、俺がここにいるのか・・・

ポルトガルに俺と完全に別れて
渡航しようとしたリンの真相を聞かなきゃ行けなかった

でも俺はその前に先手を打つことにした

「俺さ、先に言っておく
今日、どうして、ここまで来たのか」

「わかってる・・」

「わかってねぇだろ」

そう言うと
はぁと溜息をついたリン

カタカタと窓枠が風に揺れた

「とりあえず、シャワー浴びよう？
お互い風邪ひいちゃう」

そう言って。
バスルームの手前の棚から
白いバスタオルを出したリン

「逃げるなって、リン」

俺は、リンに向かってそう言った

この３年間俺が決めたことは間違っていたんだ
そのことをちゃんと伝えようと
俺はリンの手を取った