追想-TUISOU-１０ Secretな彼女番外編 (ページ24)

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逆にそれが俺らをいい感じに演出していき
俺は、そのままゆっくりリンの前髪を指で分け
そして、キスをする

俺らのキスなのか、それとも外の嵐なのか
水音がさらに増していく

いつしか俺らは湿った衣服を脱ぎ捨て
俺はその時間を止めるかのように、ゆっくり
リンを抱いていく

お互いに熱を感じ、
お互いに足りない部分を埋めていくかのように
重なる
何度も見てきたはずなのに、
俺らの間でしか知らないこの表情も声も
全て刻み込む

そして、改めて実感するんだ
俺らの10年は決して無駄なものじゃなかったって・・・

そして、お互いその熱に開放され
果てた時

俺は組み敷いて、俺の下で
目を瞑り呼吸を整えようとしてる
リンに向かって口にしたんだ

「リン・・・愛してる」

って

2度とこんなこっ恥かしいことなんて言わないと思っていた
でも、なんだか伝えておかなきゃって思ったんだ

するとリンはゆっくりつぶっていた目を開けて
俺の顔に手を伸ばした

「翔・・・まだ嵐は過ぎてないよね・・・」

と

「あぁ。まだ真っただ中だね」

そう言うとフと笑ったリン

「来いよ、リン」

そう言って俺はリンから一旦離れ、
横になり
腕の中へと収めた

俺の腕に中でいつもと変わらない
リンがいる
それは当たり前で、当たり前じゃなかったんだ

そして、目をつぶる

嵐が去るまでは俺らの関係は終わらない

次、目を覚ますころには
この嵐は過ぎ去ってしまうのかもしれない
でも・・
このままずっと・・・そう、ずっと、このまま

俺の願いはもちろん届かず

朝の輝くような光で目を覚ます。
ベッドの横には、すでにリンの姿はなく

俺はうなだれながら、身体を起こす

「リン？」

俺が呼んでも
リンの返事はなく

あぁ全てが終わってしまったんだと
深いため息をついたその時だった

部屋のドアから顔を出したリンが

「いつまで寝てるのよ、
仕事あるんでしょ、帰国しないと
とりあえず、シャワー浴びれば？」

と、笑って声をかけた
それは、いつもと変わらないリンだった

「翔がシャワー浴びてる間に、マーケット行って
朝ごはん作ってあげる」

そう言って、親指を出したリン

「え？」

「この丘の下にさ、美味しいパン屋があるのよ」

そう言って、ドアを閉めた

でも、すぐさま顔をだし
そして、悲しいそうな顔で言った