2つの人格 ページ16
そのうち、
ガクガクと震え始め
悲鳴のような声を出し
ナカで俺の指をくわえたまま、
壁を背に、ズルズルと
滑り落ちた
「何、1人でイッちゃんてんだよ」
ざぁぁぁと、シャワーの音だけが浴室に響き、
むせかえるくらほどの湯けむりが、
俺を襲った
そして・・・
俺の前で敗れたストッキングをはいたまま
グッタリとした
Aがいて・・
俺は、
我に返ったかのように
Aをやさしく抱きしめる
「ごめん・・・俺」
でもそれ以上の言葉が出て来なかった
俺の中で、なぜか2つの人格が
ぐるぐると回り
吐き気がしてきた
苦しい・・・
こんなにもAの事が好きで
支配されてたしょうちゃんの元から、
俺は
奪ってきたのに。。・
どうして、
Aを大事にできなかったんだろう
「ごめん・・・本当」
俺は、
シャワーを止める
急に静かになる浴室
グッタリしているAを
両手で抱えるように、
俺は浴室を出た
俺の腕の中で
「和？」
と
俺の名前だけ、言ってだまったA
俺もそのままそれ以上は、何も言わず、
ソファーに
ゆっくりと寝かした
そして、
哀れな姿になった意味のないストッキングと下着をはずし
バスタオルをかけた
「風邪ひくから、ちゃんと拭いて」
そう言うと、
Aは、何も言わず、テーブルに置いたままになってるビールに目をやった
「ビール飲みたいの？」
そういういうと、
Aは首をふり
「水でいい」
と小さな声で言った
「わかったちょっと待ってて」
立ち上がり
おれ自身もずぶ濡れな事に気がつき
いったん浴室に戻り
重くなった服を脱ぎ捨て、
代わりにスウェットに着替えた
すぐに
俺はキッチンに向かい、
冷蔵庫の中から、
ペットボトルからミネラルウォーターを片手に、
ソファーに力なく座ってるAを見た
そしてすぐさま
Aの元に戻った
俺が戻ると同時に、
俺を見上げるA
その目はどこか生気が無く
自分がやってしまったことを悔やまずに終えなかった
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結愛(プロフ) - 和くんの立場を思うと、やるせないです。しょうくんに依存することでしか生きられない主人公に、少しだけ私と似た部分をかんじました。 (2020年3月3日 20時) (
レス) id: 790ab34727 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - とても面白いお話でした。最後の3話から訳が分からなくなって、何度も読み返しました。和くんの中の主人公が好きという気持ち、しょうくんの部屋での出来事などは全部記憶からなくなってしまったということですよね。しょうくんと主人公の存在も和くんの中から消えた。 (2020年3月3日 20時) (レス) id: 790ab34727 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫姫
| 作成日時：2020年2月14日 21時
