イルミネーション ページ2
大通りに出ると、クリスマス前のイルミネーションが、街を彩っていた。
大通りの樹はすべて、青と緑の電飾で、どうやら、今年のテーマカラーらしい。
「どうする？」
俺は、少し立ち止まって、Aにそう聞いた
そう、慌てて出てきたものの、俺は何も考えてなかった。
でも、高校の時から、長い年月がたって、ようやくたどりつけたAの想いを知った今、
すぐに離すわけはなく
何も言わないAに
「何もないけどさ、俺んち来る？」と誘った。
別に他の場所でもよかったんだけど、
なんだろう、
自分のテリトリーに収めたかったのかもしれない。
Aは俺のもんだって・・・
確かめたいのかもしれない・・・
そう
もう、誰にも触れさせない、
例えしょうちゃんであっても・・・
しょうちゃんのマンションから、俺のマンションまで、電車で乗り換えなくてはいけない
しょうちゃんは、まぁ、あのお家柄だから、それ相当の高層マンションだけど
俺は、普通の１LDKのマンションだ。
俺は、大学を卒業したら、趣味のゲームが買われて、最初は大手のゲーム会社にいたけれど、自分が好きにできないその風通しの悪さに嫌気がさし、
今はアプリ系のゲーム開発のプログラマーで生計をたてている。
まぁ、正直、今の仕事に不満は一切ない
青と緑のイルミネーションをみながら、歩いていると、
汗ばんではいるけれど、
さっきよりAの手が冷たくなっていってるような気がした。
俺は、そっとAの手をコートの中に入れた。
すると、横で幸せそうにほほ笑むA
そんな顔を見てると心なしかくすぐったくて、
忘れかけていたこの淡い思いがよみがえる。
３０も過ぎた男がそんな１０代のような青臭い気持ちに気づかれたくなくて
「・・・まぬけ」
と言って、くくっ、と笑う
「ちょっと、まぬけって何？
・・・もう」
そう言ってぷいっと、頬を膨らませたAが
かわいくて
その膨れた頬を、
繋いでいないもう片方の手で
両頬をぷぅと挟む
「もぅっ・・・ちょっと和っ」
そう言いながらも、やっぱり嬉しそうなのが、俺にも伝わる
ダメだ俺
今日は何やっても、Aに夢中になりそうだ
街は、イルミネーションだけでなく、通りに面したカフェも雑貨屋も、オシャレなセレクトショップも。クリスマスで彩られていた。
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結愛(プロフ) - 和くんの立場を思うと、やるせないです。しょうくんに依存することでしか生きられない主人公に、少しだけ私と似た部分をかんじました。 (2020年3月3日 20時) (
レス) id: 790ab34727 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - とても面白いお話でした。最後の3話から訳が分からなくなって、何度も読み返しました。和くんの中の主人公が好きという気持ち、しょうくんの部屋での出来事などは全部記憶からなくなってしまったということですよね。しょうくんと主人公の存在も和くんの中から消えた。 (2020年3月3日 20時) (レス) id: 790ab34727 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫姫
| 作成日時：2020年2月14日 21時
