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車から降り
そして、高台にある
ロカ岬の崖を目指し歩く
観光客はまだまばらだったけれど、
私は、目に入る人一人ひとりをよく見た
どうか、そこに、
まだ、翔さんがいてくれることを願って・・・
私は、逸る気持ちを抑え登って行く
昨日この地を訪れたばかりの、ロカ岬
でも、
もう何年かぶりかに訪れたかのような
懐かしい気持ちで、
心と頭の中で、変な錯覚をしていた。
たった1日しかたっていない
でも、私の身体と心は、すでに
彼のことでいっぱいになっていた。
人生で、こんなに好きになることってあるだろうか、
私は、モニュメント近くまで歩く
自分の呼吸が、耳の奥から聞こえる
辺りは相変わらずの強風で、そして、空の雲が
勢いよく、私に向かって、その海と空の境目から流れてきていた。
一度そこに立ち
辺りを見回すも
それらしき人はいない
まだ、午前中
辺りは、まだ静かだった。
もしかしたら
私が、翔さんと出会った、崖の方まで行けば、
全体を見渡せるかもしれない
そう思い、
昨日、二人で並んで立ったその場所まで、足を進めた。
足場が悪い中、私は、焦る気持ちを抑え、
転ばないように足元を見ながら、
そこを目指す
そして
ある程度まで行き
顔をあげた
・・・
・・・
唇が震えた
そこには
昨日とはまた違った、
ジャケットに、ベージュのパンツをはいた、彼がそこに立っていた
そして、
ポケットに、親指を入れ
そう
海と空に先をを見ていた・・・
私は、足場の悪いところを、
彼を目指して、また、一歩歩き出した
もしかしたら、
私のこの行動は、すでに読まれていることなのかもしれないけれど、
ベリーナの言うとおり、
私は、真実を確かめたくなった・・・
昨日と同じ見慣れたジャケット。
いまだ
彼は、私に気が付かず、
私に背を向け前を向いていた。
その後ろ姿は、
何か考えているかのように思えた
昨日より、少しだけ雲が多かったけれど
あいかわらずの向かい風に
翔さんのそのジャケットがはためく
私は、翔さんに近づくにつれ
胸の奥がじわっと熱くなるのがわかった
「翔・・さ・・・」
声にならなかった
もちろん、この風で
翔さんに私のこの震える声が聞こえるはずが無かった・・・
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紫姫(プロフ) - あきこさん» 一気読みお疲れさまです。ありがとうございます。あの情景をお伝えすることができて感無量ですwまた、ぜひどこかでお付き合いいただけたらと思います (2020年7月5日 20時) (
レス) id: ce56b6a958 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - おのりさん» 花火越えた？ロス消えた？いつもありがとう (2020年7月5日 20時) (レス) id: ce56b6a958 (このIDを非表示/違反報告)
あきこ(プロフ) - お話の続きが気になり一気に読みました。ロト岬にいる気持ちになり、話の世界観にぐっと引き込まれました。サイドストーリーも気になるし、ちょっとした続きも気になります。素敵なお話ありがとうございました。 (2020年7月5日 2時) (レス) id: ed922c5733 (このIDを非表示/違反報告)
おのり(プロフ) - 紫姫さんお話ありがとうございます。途中で何度も息が詰まりました。やっと2人会えたー！ハッピーエンドかな？と思いきやまだその先は私が思ってた甘い話ではなくて、いつもは続きが気になるけど、今回は2人に任せたいな！と思ったくらい大きいお話でした！ありがとう (2019年9月29日 8時) (レス) id: e09bbc376b (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - yuriさん» あら大変ｗ泣かせてしまいました・・・スケールが大きいストーリー展開になったので。 途中、最初の方に置いていた附箋を回収する作業に後半、焦りました。 でも無事に、まぁるく収まってよかったです。ありがとうございました。 (2019年9月26日 8時) (レス) id: 798db29bb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫姫
| 作成日時：2019年6月5日 23時
