＊ ページ38
・・・
無言のまま
来た道を戻る
つないだ和の手は汗で湿っていた。
しばらくして
「なぁ・・・」
和が私に話を切り出した
私は、何を言うのか正直緊張していて
和の顔をまともに見ることができなかった
「飯、何したらいいのかわんなくて、カレーの材料だけ買ったんだけどさ」
「うん・・・
ていうか、材料わかったの？」
「は？馬鹿にすんじゃないよ、まったく
じゃがいもだろ？にんじん、玉ねぎ、肉・・あと・・・あ、ヤバい」
「何？」
「カレールー買うの忘れたわ」
思わず笑ってしまう
それがいいきっかけになったのか、
緊張感が抜けた。
「だめじゃん・・・肝心なの忘れて・・・
それじゃ、カレーになんないよ」
「あー、どうしよっか、俺、スーパー戻るわ、
先に帰ってとく？」
そう言って立ち止まる
「いいよ、それなら、カレーじゃなくて、
肉じゃがじゃダメ？」
フと笑った和
「俺はそっちの方がいいかな」
そう言って、再び歩き出す。
「そっか、そうだよな、
カレーの材料って肉じゃがと味変えただけか」
「うん・・まぁ、そうかな・・・」
そう言って思わず微笑んでしまう
「あのさ・・・そうやって、俺の隣で笑っていてくんないかな。」
・・・
その言葉が私の心をギュっとした
「・・・和
あのね・・・」
「俺の・・・だろ？」
私の話をさえぎるように、そう言った和
「信じてくれるの？」
「あぁ、まぁ、一応っていうか
GWからの状況を考えたら、どう考えても俺でしょ
・・・まぁ、自分勝手な行動だったとは思ってる・・・ごめん」
「謝んないで
まだ、
姿を見てないからなんとも言えないんだけど
なんだろう、不安もあるけど、それよりも大事にしなきゃって思うの」
「・・・そっか」
もう1度改めて考える。
そう、夏川さんの言うとおり
「変」なのかもしれない。
私の本当の気持ちは、翔へと傾いていたのは確かだ。
でも、
その自分の想いよりも、母親になって初めて知った
子どもを守らなくてはいけないというこの気持ちもなお本心
もちろん、和のことは嫌いになったわけではない
それに、翔への気持ちっていうのも
美波が言ったように、
ただ「過去を美化してる」に過ぎないのかもしれない
いや、こうなった以上、そう思った方がいい
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1908人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫姫(プロフ) - ゆり:)さん» キャラクターが動きすぎて。今、書き手も混乱してますwまさか紅い月で、こんなに長くなるとは思ってなかったので、自分でもビックリです (2018年9月13日 6時) (
レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
ゆり:)(プロフ) - 嘘だらけ……これから真実が明かされていくのでしょうか。色々と謎が深まれば、確実に間違いのないことだけしか信じられなくなっちゃいますよね。でも、さよならしないで翔ちゃーーーーん！涙 マンションでの和との会話が気になりまくりです！ (2018年9月12日 7時) (レス) id: 0e888923d2 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - ゆーみんさん» するどーいwでも実はフェイクも今回は置いてますwなんせ最近読者さんが紫姫の癖を読み取ってくださるので、紫姫もあの手この手wよかったら次の章でもお待ちしてます♪いつもありがとうございます (2018年9月12日 7時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - せいこさん» せいこさんっお久しぶりです♪読んでいただけてたんですね。嬉しいです。１番の初期に書いたangelシリーズぐらい、私もてんやわんやしてます。久しぶりにノンリアルを書くのもいいですねw (2018年9月12日 7時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - サチさん» はじめまして。来ていただいて、ありがとうございます。実はもとは、別のところに映画の脚本のコンペにだす予定だったものですが、諸事情で間に合わず、お蔵入りしてた分を占ツク用に書き直してます。他の作品はリアルが多くてここではコミカルな作品が多いですw (2018年9月12日 7時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫姫
| 作成日時：2018年8月23日 20時
