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天橋立付近で私たちは降りる
それでもまだ、無言のままだった
どこに行くと言う目的が急に無くなってしまう
天橋立だって、有名なはず
でも。今の私たちには、どうでもよくなっていたのかもしれない
ただ、お互いに一緒に入れれば良いって思っていた
「何か飲み物でも買ってくるわ」
そう言った翔が、
そっと私の手を離そうとしたから
私は慌ててその手を握り返した
「ははは
大丈夫だよ・・・
一緒に行こっか」
まるで、
私は言葉を忘れてしまったようだった、
何も話せなくて、
ただただ、翔のあとについていく
でも、絶対手を離すことはできなくて
ずっと、握り締めていた
歩いていくと、
駄菓子屋なのか、土産屋なのか、少し古い店があった。
そこに２人で入り、小さな透明な冷蔵庫みたいな扉を開け、
コーラを２本選んだ
土産物が、少し乱雑におかれ、ごちゃごちゃしてる中で、
懐かしい駄菓子も、置いてあった。
そして、その壁際に、翔が何かに気づき、
近寄り、
それを手にした
それは手持ちの花火で
いろんな色のこよりが、ビニールの包装から見えていた。
翔はそれじっくりと眺め
店のおばさんに、コーラと一緒に花火と、
そして、レジ付近に置いてあった、ライターを買った
「この花火、去年のだからもしかしたら、しっけて、つかんかもしれんから、
お代はいいよ、持っていき」
と、笑ってその花火のセットをくれた。
店を出て
「ん」
と、私にコーラを渡す
一度手を離して、もらったコーラのキャップを開けようとしたけど、
なぜか、力が入らなくて、開けられずにいると
すぐに、翔がそのコーラをとり、グッと力を入れ、
キャップを回すと
シュっと勢いよく音がもれた
「ほら」
「ありがとう」
「別に」
「・・・ねぇ、花火するの？」
「あぁあ」
そう言って、いつもの笑顔を見せた翔
帰るって言ってたのに
私は、空を見上げた
たぶん、まだ３時くらい・・・
それを察した翔が
「今からやんの」
と言った
「今からって、まだ昼間だよ」
「いいの」
翔が何を考えているのか全くわからなかった
「ばーか、花火は・・・昼にするんだよ・・・」
そう言って、ニコっと笑った翔
「え？」
すぐに私の手をつなぎ、
海辺に歩いていく
「ばーか、花火は・・・昼にするんだよ・・・」
この言葉が
その翔の声のまま私の心の中で、これから先ずっと・・・
消えることなく胸にきざみこまれた
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紫姫(プロフ) - Sara xxxさん» やったwへへっ。この過去ありきの10年後、しきちゃん頑張りますw (2018年7月29日 7時) (
レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
Sara xxx(プロフ) - 紫姫さん〜(T ^ T) もうだめ。泣く。何この胸が苦しくなる展開…。続きを読むべく行ってまいります！！ (2018年7月29日 0時) (レス) id: d71a440a0a (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - ケイトさん» ありがとうございます。今回は久しぶりにオリジナルを書いてるので、楽しいです。オトナになった主人公ちゃんの、また違った悩みを描けていけたらと思います (2018年7月27日 7時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - すりおろし梨。さん» あはは、いつもありがとうございます。お宝回収、ぜひお願いいたします。中には今回はフェイクも入れてますw そう、なんと言ってもあの翔くん、何も無くして離れたりしませんw (2018年7月27日 7時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - せいこさん» 花火は昼間にするもんですwいつもありがとうございます。若さゆえにを表現したくて、かなり今回は大変でした、なんせ私には遠い昔(;゜∇゜)これから、オトナに気持ちをシフトチェンジしていくので、スタートもしかしたら、慣らすために過去を行ったり来たりするかもです (2018年7月27日 7時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫姫
| 作成日時：2018年6月24日 19時
