月光雪中 ページ6
そこから、見た湯面には、
このすんだ夜空から、
くっきり、打ちし出された月
かぐやが、お湯を掬うごとに、
その月が揺れる
俺は、光のもとになっているところを、見上げると
若干、雲がかていたが、
真っ白な月が、浮かんでいた
智「かぐや・・・今日も月が綺麗だな」
そういうと、かぐやも上を向いた
するとすぐ、
手を上にかざし
か「・・ちぃ・・・見て・・・雪」
とつぶやいた
俺も、もう１度上を見上げると
まるで花弁かのように
チラチラと雪が降り始めていた
俺の肩に乗っては、解け、
かぐやの鼻の上に乗っては解け
それは、儚いものだけれど、
美しかった
か「さ・・ちぃ。好き」
上を見ながらの
突然の告白に、
智「ははは、うん・・・俺もだよ」
と答える
か「・・・ちぃ
好きっ」
智「あははは、わかった・・」
俺は、強く抱きしめた
この華奢な身体に、大きな不安や悲しみを背負ってたのかと思うと、
それさえも、愛しくなる
俺は、首筋から、うなじ、
うなじから肩甲骨まで、唇を滑らせた
そして、その首筋に、チュッと軽く吸いついた
か「・・・んんっ」
かすかに漏れたかぐやの声
すると、
真っ白なキャンパスに、紅い小さな花を咲かせたように、
綺麗な俺だけの印を記した
確かに、ニノが、なかなか出てこなかったのもわかる
この、雰囲気の中で、理性を保てる訳はない
この月夜と、チラつく雪が、
気持ちを高ぶらせる
でも、俺は、もう少しだけ
もう少しだけ、この幻想のような世界にひたりたい
空を見上げる
光は、月だけでなく
無数の流れる星からも、放たれていた
頬と頬をすりよせ
智「かぐや・・・
おめぇが、辛い時も、楽しい時も、
俺が、一緒に隣にいてやっからな」
そういうと、かぐやは、
頷いた
か「・・・ちぃ。ありがと・・・」
そういって、目の前に振ってきた雪を、両手で受け止めた
すると、すっと、その雪は、形を変え、
水のしずくとなった
さ「かぐや・・・ここじゃ、なんだから、
部屋にもどったら、
今日は、抱いてもいいか・・・」
と聞いた
聞くようなことじゃないのに・・・
それがおかしくて、思わず笑ってしまう
すると、かぐやは、その笑い声を不思議に思ったのか
少し、身体をねじらせ、ニコッと笑い
そして
俺の顎から、首に唇を這わした
さ「おいおいっ、待てって、ここじゃ、風邪ひいてしまうから、
部屋に帰ったらな・・・」
慌てて阻止したけれど
もう、止まることはなかった
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紫姫(プロフ) - ともさん» こちらでもありがとうございますwこの作品は、他のシリーズと手法を変えて書いたもので私っぽい作品に仕上がりました。ただ、コミカル差がないので、当時は「Secret」と同時進行して、和らげてたのですがw単体で読むとズーンと落ちちゃうかもですw (2018年4月24日 20時) (
レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 紫姫さんこんにちは！やーっと拝読出来ました！愛しの智くんのお話だから…ワクワクしながら拝読していたのですが…ハッピーエンドにならないような気がして…ドキドキしながら飲み続けました。智くんの暖かさと心の深さが見に染みてスッゴクステキなお話で感動しました (2018年4月24日 12時) (レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - みーこさん» みーこさん、ありがとうございます。そう言っていただけると、書いてる側として本当に励みになります。他の作品とは異質な書き方をしているので、みなさんになかなか受け入れてもらえないのではと不安な作品でもありましたが、私は自分でも好きな作品になりそうです (2018年2月21日 12時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - ちょんさん» わーいちょんさん。あちらでもお世話になっております。すいません。お返事おくれてしまいました。無事に完結しまして、引き継ぎシリーズの主軸書いていこうと思います (2018年2月21日 12時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - ゆなつさん» 返事遅くなってすいませんなんとか、最後までたどり着きましたが、このおはなしにもキーを埋め込んだままになってるので、拾っていかなきゃいけなくてwwwまた、ぜひよろしくお願いします (2018年2月21日 12時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫姫
| 作成日時：2017年7月3日 18時
