11 ページ10
そう言って、私は眉間を指でつまんで
彫りを深く見せる
「あはは、Aちょっとそれ失礼よ
っで？その日替わりがどうした？」
対面のキッチンから
コーヒーの香りが漂う
「そうあの日替わり、その人、あ・・・松本さんっていうんだけど
彼が、来たお客さんによってコーヒー豆の種類を変えてるって
知ってた？」
「・・・そうなの？」
「そうなの。
だから、私が二日酔いで調子悪かったりしたら
それをやわらげくれるようなコーヒーだったり
あと、気持ち沈んでるときはリラックスさせてくれたり
すごいよ。
よく考えたらさ、それを一人一人にしてるって
ちょっと薬の調合士みたいじゃない？」
「・・・そうなのかな」
「え？」
「それって前から？」
「うん。考えてみたら、
ずっと前からそうだった気がする
だって、私、いつも
欲しい香りだったり、味だったり
いつもマッチしてるもん」
「・・・私がお休みしてる間に
そんなサービスができたんだ」
「うーん、ていうかみんな
彼のそのさりげない人思いな所に気づいてないだけじゃない？」
「いや？
それ本当に前から？」
「うん。前からよ。
きっと、そう、だから、私いつも
あそこのコーヒーは美味しいって思うんだと思う
だって、その日の体調に合わせたコーヒーなんだもん」
「日替わり頼むとそうなる？」
「そう。だから、萌絵も育休開け
気にしてみて」
そう言うと
萌絵は
トレーに、コーヒーとお菓子を載せて
私の目の前に置き
そして私に対面するように座った
「ねぇAさ
あそこの日替わり、毎日看板に書いてるよ」
「え？」
「だから、その日の朝、日替わりを頼むと
みんな同じコーヒーなはず」
「え？うううん。
だって、この間、雅紀と中身違ってたもん」
「ふーん。」
・・・
そう言って私の顔を見る
「それってさ
もしかしてAにだけ
特別なサービスしてるってことない？」
そう言ってふふんと笑う
「え？」
「ははぁん、
あの、眉毛くっきり男は、そういう術を使って
女をくどくのか」
「いやいやいや、まさかまさか」
「いや、だってあんな朝から並んでいるようなコーヒーショップがさ
一人一人、合ったコーヒーを出してたら
みんな遅刻するわ
そっか・・・いいじゃんA
彼、すっごくかっこいいし
もう二宮と別れて3年たつんだし」
私が思わず片方の頬をあげてしまう
「え？何か私いけないこといった？」
「それが・・・」
私は重い口を開いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 940人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yashuchar1031(プロフ) - 紫姫さん» ぶふっw ちょいちょい出てくる過去の恋愛話にパンチありますもんねww (2021年4月6日 0時) (
レス) id: 4cc73d8fe3 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 紫姫さん» ありがとうございます(T ^ T)今しかできないこと。頑張ろうと思います！紫姫先生の言葉を見て、元気になりました！今日からまた頑張ります！紫姫先生の小説にいつも元気もらってます。どうか無理をしないで、元気で健康でいてほしいです。 (2021年4月5日 20時) (レス) id: d2356e5600 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - ともさん» どうやら、侍スイッチがそこにあるみたいｗ (2021年4月5日 16時) (レス) id: 126fa04e95 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - 結愛さん» 今、やりたいことを一生懸命やるのが一番だと思う。今は選択肢もたくさんあるし、例え間違っていてもいくらでも修正が聞くから。私の年代になると選択肢も狭まるし、時間も限られてくる、だから子供たちにもよく言ってるの「やりたいことは今」ってｗ (2021年4月5日 16時) (レス) id: 126fa04e95 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - ゆめさん» あはは、実は書いてる方も結構楽しかったりします。自分で書きながら、笑ってる時ありますｗ (2021年4月5日 16時) (レス) id: 126fa04e95 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫姫
| 作成日時：2020年11月26日 17時
