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好き? ページ31

確かに私は、中也に救われたし、中也のことは大切だ。

 でもそれは、好きっていうことなのかな?

  中也は暫く考えるような仕草をして、ああ、だの、そうか、だの呟いていた。

『ねえ』

「おい、A」

  いい加減に痺れを切らした私が呼んだのと同時に、中也が顔を上げて私の名前を呼んだ。

『何?』

「これからの質問に、絶対に正直に答えろ。 良いな?」

  絶対に否と言わせてくれなさそうな中也の真剣な表情に、つい自分の背筋も伸びる。 が

「お前は、俺を見てどう思う?」

  訳の判らない質問に困惑した私を無視して、先程とは反対にニコニコと笑っている中也。 イラッときたので、格好いいよと投げやりに言うと、更にニコニコとし始めた。

「お前にとっての俺は?」

『うーん・・・』

 お兄ちゃん も違うし、 頼りになる相棒 でもない。 まあ、大事な友人? いてくれないと困る人?

『いてくれないと困る人?』

  そう言うと、更にニコニコし始めた。

「俺とお前以外の女が一緒に歩いているのを見たら、どう感じる?」

  それは・・・。

『別にィ。 一寸イラッとくるかな』

「それは誰に対してだ?」


『・・・さあ?』

「正直に言えって言ったよな?」

  怖いよ、中也。

『女の子と中也です。 どっちかというと、女の子です』

  そう言うと、中也は今までで一番の笑顔を浮かべた。

「それが、好きだ」

『? これが?』

「そう、お前は、俺が、好き」

  指さし確認をするように一つ一つ確認していく中也。

 嘘だ、と笑い飛ばしてやりたかった。 でも、心当たりがありすぎて出来なかった。 はっきりと、今自覚した。 私は中也が好きだ。

『私は、中也が・・・好き』

 中也がにやりと笑った気がした。

「返事は?」

『・・・宜しく』

  それでいい


 中也が小さく呟いて、私をぎゅっと抱きしめた。 中也からは、ふわりと甘い香りがした。 嗅ぎ慣れている匂いの筈なのに、何故こうもドキドキしてしまうのだろう。

「好きだ、A」

『私も』

 恥ずかしい? こちとら何度もイケメンにハニトラ仕掛けてんのよ。 舐めんな

「幸せにしてやる」

『私も、幸せにしてあげる』

「もう十分幸せだよ、莫迦」

『それなら、私だってもう十分だよ。 莫迦』

 

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なすび(プロフ) - りとのおへやさん» 有難うございます!  これからもそう言っていただけるよう、頑張りますね! (2019年6月2日 21時) (レス) id: 6cdc79c834 (このIDを非表示/違反報告)
りとのおへや(プロフ) - めちゃめちゃ良かったです!中也オチマジで神!!!本当に、こんな神作品を読ませていただけて感謝しかないです! (2019年6月2日 20時) (レス) id: 534e38ce7a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なすび | 作成日時:2019年1月30日 21時

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