プレゼント ページ30
中也の部屋に行き、いつものようにノックも碌にせず扉を開け放つ。
『中也！ 来てあげたよ〜』
「うわっ！？ ・・・ノックぐらいしろっていっつも言ってるよな？」
ひぇ 中也がガチで起こっていらっしゃる。
『ちょ、床に亀裂を入れるのはよろしくないよ。 本当に』
「誰の所為だと思ってる」
『少なくとも私ではないよね』
そう胸を張って答えると、更に中也のオーラが黒くなった。
「一回首領に見てもらったほうがいいぞ、お前。 あ、頭だからな？」
『酷い！』
巫山戯たやり取りをしていると、ふと机の上に置いてある細長い箱が目に留まった。
『中也、これ何〜？』
何気なく手に取り、何気なく聞いたのに、何故か中也がピシッと固まった。
『どしたん？』
つっついても反応がない。 遂に中也が壊れたか。
『不燃ごみの日を後で確認しておこう』
カレンダーを捲ろうとすると、漸く動いた中也がその手を止めた。
「待て。 いや、まｔ・・・兎に角、一回そこ座れ」
叫びだしそうな顔で落ち着いた声を出そうとしている中也は、とても面白かった。 原因は不明だが。
「A、あのだな、落ち着いて聞け」
『中也が落ち着け』
私のツッコミを華麗にスルーして、先ほど私が触った細長い箱を手に取った。
「これを、お前に贈りたい」
いつにもなく神妙な顔で立つ中也に首をかしげながらも、その箱を受け取り、蓋を開けた。
『これは・・・』
「お前を思って選んだ。 受け取ってくれ」
ネックレス。 銀色に光り輝くネックレスが箱の中に入っていた。
『これを贈る意味、解ってる？』
「嗚呼、解ってるぜ。 俺は本気だ」
ネックレスを贈る意味は、愛情、独占欲。 つまり、私を愛している。 独り占めしたい。
『私のこと、一生幸せにする覚悟は？』
「ある」
そう言って、自信ありげにニヤリと笑った中也。 ふむ、控えめに言ってイケメン爆ぜろ。
「お前が赤城に未練があるのは十分承知だ。 なら、赤城を忘れさせてやるくらいに手前を幸せにしてやるよ」
憐君を引き合いにしてくるとは・・・。 よっぽど悔しいな、此奴？
『でもね、中也。
私、好きって何か、判んなくなっちゃったんだ』
好き？→←まあ、ア〇雪の女王様みたいな異能力だと思ってもらえると。 あ、あれより精度の高いものね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 116人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なすび(プロフ) - りとのおへやさん» 有難うございます！ これからもそう言っていただけるよう、頑張りますね！ (2019年6月2日 21時) (
レス) id: 6cdc79c834 (このIDを非表示/違反報告)
りとのおへや(プロフ) - めちゃめちゃ良かったです！中也オチマジで神!!!本当に、こんな神作品を読ませていただけて感謝しかないです！ (2019年6月2日 20時) (レス) id: 534e38ce7a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なすび | 作成日時：2019年1月30日 21時
