検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:30,406 hit

離れるべきか ページ16

「Aちゃん、おっきくなったら僕のお嫁さんになってくれる?」

『うん! 私も、憐くんとけっこんする!』

「約束だよ?」

「これ、持っててね? 約束の証拠だから!」

『じゃあ、憐君も此持っててね!』

「約束、約束だよ!」

『ゆーびきーりげーんまーん』



「貴女の将来の旦那さんは、とっても良い子ね! Aも気に入ってくれたようだし、良かったわ」

「お父さんは、彼の子にならお前を任せても良いかなと思うよ」

「そんなこと言って、本当は淋しいくせに」

「う、うるさいなあ」

『Aもあのこ好き! 楽しくて、かっこよくて、おもしろくて、だ〜いすき!』


  そう言われれば、どんどん記憶が蘇ってきた。 そうだ、お父さんは中々会社でも高い地位にあったから、その繋がりで私の婚約者が決まったんだ。 最初は渋々だったけど、段々仲良しになっていって・・・。

 彼の憐君が?

『赤城が、憐君?』

「嗚呼、矢張りか。 如何する? 赤城君の為を思えば離れた方が良いが・・・」

  答えに困り、中也の方を見た。 すると、中也は今までに見たことがない程に難しい顔をしていた。

『中也、如何したの?』

「あ、嗚呼。 前に赤城から聞いたことがあるんだよ。 結婚の約束をした女の子がいたってよ。 その子は綺麗な青い目で、不思議な力を操ってたそうだ。 氷を出して、綺麗な像を造ってくれたんだとよ。 約束の証拠に、溶けない氷で作ったペンダントをくれたって。 ・・・お前のことだったんだな、やっぱり」

  あ、ああ・・・。 覚えていてくれたんだ、憐君は。

『まだ、その婚約は継続しているの?』

「嗚呼、しているそうだよ。 何でも、本人が如何してもと聞かないそうだ」

  憐君はまだずっと想っててくれたんだ。 私は忘れちゃってたのに。 きっとあの初恋は、私にとっても大切な大切な想い出で、大切な約束だったんだ。

『私は・・・』

  私は、赤城としてでなく憐君として彼に会いたい。

オチアンケート→←夜



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (54 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
116人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

なすび(プロフ) - りとのおへやさん» 有難うございます!  これからもそう言っていただけるよう、頑張りますね! (2019年6月2日 21時) (レス) id: 6cdc79c834 (このIDを非表示/違反報告)
りとのおへや(プロフ) - めちゃめちゃ良かったです!中也オチマジで神!!!本当に、こんな神作品を読ませていただけて感謝しかないです! (2019年6月2日 20時) (レス) id: 534e38ce7a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なすび | 作成日時:2019年1月30日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。