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真実は ページ10

『って事で、つまらなく死んで下さい』

  鋭い氷が奴らの胸を貫くかと思われたときだった。

「まあ、待ち給えよA」

「一人でお楽しみなんて、ズリィぞ」

  大きな音を立てて、扉がグニャリと曲がって目の前にとんできた。

 薄暗く、状況が掴めなかったが、これにより光が入り周りがどんな様子かが確認できた。

『成る程。 廃工場か』


  残念ながら私は夜目が利かない質なので、どんな場所か全く把握出来ていなかったのだ。

「見えてなかったのかよ」

『まあね。 明かりが入ってくれて助かった』

「その状況でよく戦えたな」

『中也が来てくれることを信じてたからね』

「嗚呼、急に携帯が鳴ってお前の状況を動画で送られてきたときには焦ったよ。 GPSも付けといて、正解だったろ?」

  私が押したボタンは、中也の携帯に自分の状況を動画で伝え、GPS機能で居場所を発信するもの。 梶井さんに作って貰った。

『うん、GPSはいらないと思ってたけど、案外役に立ったよ』

「素直じゃねえなあ。 そろそろ俺の部隊も来る頃だ。

  太宰! 其奴の異能を解除しろ!」

 中也が治に指示を出した瞬間。


『いった』

  どうやら、ナイフが腕を掠めたようだ。

「A!?」

「あーあ、結構簡単に当たるのね。 もっとやりなさい」

 嗚呼、痛い。

  腕を掠ったナイフは、元部下の長谷さんのナイフだった。

「巫山戯んな。 太宰! 何してんだよ!」

「済まない、私も少々手こずっていてねぇ・・・。 無効化しても、長谷さんの洗脳が解けていない」

『どういうこと?』

「恐らく、此の異能は山本さんのものではなく、別の人間のもの」

  余計に意味がわからない。

『まって、解るように言って』

「山本さんを隠れ蓑として、違う人物が異能でこの人たちを」

「違う! この異能は私のもの。 私がこの人たちを」

  成る程、理解した。

『じゃあ、やっぱり裏で操っていたのは』

 思い浮かんだ人物の名前を口に出そうとした時

  どさりと山本が倒れた。

「やっぱりこの子じゃ駄目だったみたいね。

  中原くん、太宰くん、Aちゃん、相手になってくれる?」

  嗚呼、やっぱり君だったんだね


『寒くなかった?』

「寒くないようにしてくれたでしょ?」

『まあね』


  朱莉さん

 

裏で操っていたのは→←座右の銘が何処からかすっぽりと消え落ちている



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なすび(プロフ) - りとのおへやさん» 有難うございます!  これからもそう言っていただけるよう、頑張りますね! (2019年6月2日 21時) (レス) id: 6cdc79c834 (このIDを非表示/違反報告)
りとのおへや(プロフ) - めちゃめちゃ良かったです!中也オチマジで神!!!本当に、こんな神作品を読ませていただけて感謝しかないです! (2019年6月2日 20時) (レス) id: 534e38ce7a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なすび | 作成日時:2019年1月30日 21時

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