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裏で操っていたのは ページ11

「どういうことだよ。 鈴木が?」

『どういうことも何も、朱莉さんが裏で裏で山本を操っていた。 酷く単純な事じゃないか』

 長谷さんを氷で固めてから理解できない中也に呆れる。 何で解らないのか、逆に解らない。

「どうやら、中原君以外解っていたみたいね。 私が異能力でこの人たちを操っていた。

  本当の鈴木朱莉は、この子。 本当の山本むつみは私よ」

『入れ替わりですか』


ふ〜ん。 まあ、どんな事情かは知らないけど

『組織を潰さないといけないので、手始めに貴女に死んで頂きましょう』


「やってみなさいよ。 やれるものならね。


  貴女も貴女のパパやママと同じように私に殺されるのよ」

『何?』

「あら、知らなかった?


  貴女のパパとママは私が殺したのよ」


  今まで必死に探していた両親の仇は、こんなに身近にいたの?


  此奴が二人を殺した?


『嗚呼、そうなんだ。 殺していいかな?』

「A、殺してはいけない。 絶対に」


『何で!? お願い、殺させて』

「社長と約束しただろう?」

  確かに、諭吉おじさんとは約束した。 でも、両親の仇となれば話は別だ。

『厭だ、私が、私が此奴を殺す!』

「落ち着け! 中也、応援の部隊は未だかい?」

「もう少しだ!」

  治に羽交い締めにされ、振り解こうと必死に藻掻くものの、男の力にはかなわなかった。

「中也、その子を気絶させるんだ」

「指図するんじゃねえ! 解ってる」

『やだ! やだやだやだ! 其奴に手を出さないで! 私が殺すの!』

  中也が山本を気絶させようと向き直り、目と目が合ったとき。

「ざーんねーん。 これで中原君は、私の操り人形よ」

「何?」

「私と十秒以上目が合った人は、私の異能がかかって私に逆らえば家族が死ぬ。 そして、そのうち自分自身の意思がなくなるわ。 さあ、彼の子を殺しなさい」

「・・・ヤダね。 俺はお前に逆らったって怖くねーよ。

  俺には、家族なんていねえんだからな」

  そうだ、中也も孤児なんだ。

「って事で、暫くおねんねしてな」

  トンッと、中也が山本の首に手刀を落とし、山本の体が崩れ落ちる。

「今頃、現地に向かった国木田君たちが犯罪の証拠を押収している頃だ。 八重桜は終わりだ」

 治が長谷さんの異能も、クラスの人たちの異能も解除した。

『こんな終わり・・・』

「嗚呼、納得できないかもしれないがね」


 

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なすび(プロフ) - りとのおへやさん» 有難うございます!  これからもそう言っていただけるよう、頑張りますね! (2019年6月2日 21時) (レス) id: 6cdc79c834 (このIDを非表示/違反報告)
りとのおへや(プロフ) - めちゃめちゃ良かったです!中也オチマジで神!!!本当に、こんな神作品を読ませていただけて感謝しかないです! (2019年6月2日 20時) (レス) id: 534e38ce7a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なすび | 作成日時:2019年1月30日 21時

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