愛され霊能力少女の幽雅な日常（妖怪アパートの幽雅な日常） (ページ6)

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るり子さんページ6

ｐｒｒｒｒｒ

『もしもし？』

　夕士と別れてから、部屋で勉強をしていたら

　泉貴から電話がかかってきました。

「おい！ A。俺は一人暮らしなんて許可してないぞ! 其のアパート大丈夫か？稲葉に何もされてないか？キモいオッサンとかいねえか？」

　ちょ、待って？息つぎしてる？

『だ、だいじょうぶだって。如何したの？』

「如何したの？じゃねえよ！俺もう心配で心配で・・・。其れもこれも、彼の糞オヤジの所為だ! 今度其のアパートに行くぞ？」

『だ、だめだよ！』

　マズイマズイ。本格的に心配され始めた

「何でだよ。まさか、男がデキたか？おい！何とか言えよ!」

『何でそうなるの？何とか言えって、泉貴が言わせてくれなかったんですけど。彼氏なんてデキてないって。もう切るよ？』

　勉強中だったんですけど

「あ、ちょっと待ってくれ。稲葉にも、よろしく伝えといてくれよ？彼奴、すぐに一人で抱え込むから。な？」

『うん、解った。泉貴も頑張ってね。また電話してきて？愚痴も聞くから』

　一応言っておくけど、泉貴はきっと私に愚痴を言わない。

　夕士もあまり言わない。もうちょっと頼ってほしいとは思うけど、泉貴ならきっと大丈夫。

「おやすみ」

『うん、おやすみ。慶二さんたちにもよろしくね？』
　
「・・・・いやだ」

　いやだじゃないって。まあいいや、ちょっとこれで安心出来た。

　知らないうちに私も、気を張ってたんだろうな。ちょっと小腹が空いた。

『食堂、まだ何か残ってるかな？行ってみよ』

　ぎしぎしと鳴る階段。ボロい。

『まだ残ってますか～？』

　そーっと顔を出して聞いてみると、何かがいた。

　黎明さんと明兄さんに手酌をしている。手が手酌をしている

『ヒッ』

　全身の毛が逆立つような恐怖を感じた。こんな反応は駄目だって、いい人なんだって解るのに。

「お、Aじゃねえか」

『あ、あきらにいさん。そちらは？』

　如何してもビクついてしまう。申し訳ない。

「こっちはるり子だ。まあ、手首だけだが悪いもんじゃねえ。ここのメシは全部るり子が作ってるんだぜ？」

　凄い。あれだけの人数分のご飯をあの人が。

「色々あって手首だけだけど、仲良くしてあげてネ」

『は、はひ』

　なんだなんだ？ペンと紙を持ち出してきたぞ？

【よろしく】

　筆談か～。一寸落ち着けたかも。

『宜しくお願いします、るり子さん』