報告書 作成者 深影翔真 ページ46
翌日、改めてA様が彼の女に面会して話を聞くと言うので着いていった。 実に不愉快だったが、A様の命だったし、あれに一人で会わせるわけには行かないので、仕方なく着いていった。
「入るぞー」
歩君が扉を開けると、当たり前だが、中には昨日の女がいた。 そしてもう三人
「何でお父様がいるわけ?」
「やぁ、Aちゃん」
「太宰さん、中也さん」
「やあ、皆顔が面白いことになってるね」
「は? 治絶許」
A様が太宰くんに殴りかかろうとしていたので慌てて止めた。
「中也さん、何故此処に?」
「面白い女をAが連れてきたって言うから」
「ちょっと見に来ただけだよ〜」
首領が手を降りながら仰った。 こういうところで首領とA様は親子だと感じる。
「そうですか。 事情を此の女性から聞きたいので、その場を変わっていただけませんか?」
俺が言うと、中也くんは素直に退いたが残りの二人はにこにこと笑ったままで退こうとしなかった。
「お父様、退いて」
「心配しなくとも、この子の事情聴取は私が大体終わらせた。 何か問題でも?」
後ろで彼の女が笑っているのが気に入らない。 A様に勝った気でいるのだろうか。 残念ながら、A様は、俺の主人は、首領相手だろうが引くような御方ではない。
「問題大有りですけど? どうせ興味があるだのなんだろと言って期待を持たせるようなことを言ってから、私の元いた世界の事でも聞き出そうとしたんでしょ? ねえ? 治? 中也?」
そうA様が言うと、二人は目を泳がして気まずそうに部屋から出ていった。
「お父様」
「はい!」
怒りのオーラを出しまくっているA様に、首領はタジタジになっていた。
「エリスとお母様に言いつけるよ」
「じゃあね! 後は頼んだよ!」
A様が決定的な一言を言うと、首領は風のような速さで医務室から出ていった。
「流石の鴎外s首領でも、娘には敵わないってか」
歩君のいつも通りの言い間違えを無視し、A様は一歩前に出た。
「お母様、流石だね。
で、貴女の事情聴取に来たお解りかもしれないけど、首領森鴎外の娘で五大幹部が一翼、森Aと申します。 以後お見知り置きを」
ニッと口角を上げたA様に、女はヒッと情けない声を出すしかなかった。 歩君はやれやれと溜め息を吐き、俺はその光景をきっと無表情で見つめていた。
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なすび(プロフ) - 猫夜桜((シラキさん» いや、それほどでもないですよ。 有難うございます! (2019年1月21日 16時) (レス) id: 5cd55af429 (このIDを非表示/違反報告)
猫夜桜((シラキ(プロフ) - おっふ………おっふ………、とずっと言ってましたwいやもう本当に可愛いかっこいい好きおっふ← (2019年1月21日 14時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
なすび(プロフ) - 白波心さん» ありがとうございます。頑張ります! (2018年10月12日 7時) (レス) id: c91b5315aa (このIDを非表示/違反報告)
白波心(プロフ) - 頑張って下さい。私もたまに、オリフラの事忘れて怒られます。 (2018年10月11日 20時) (レス) id: 4a6ed9dad0 (このIDを非表示/違反報告)
なすび(プロフ) - 琥治*こはる*さん» ありがとうございます!、また、フラグまで気にかけていただき、本当に感謝です。これからもお付き合いのほど宜しくお願いいたします。評価、ありがとうございます (2018年10月1日 20時) (レス) id: b6afd4fed3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なすび | 作成日時:2018年10月1日 19時