大好きなあなたへ(*^^)v (ページ26)

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２６:何故か浮かない表情の私ページ26

スタッフ「Aさん入りまーす。」
次の仕事は大事なファッション誌の撮影だ。Aはこの雑誌のモデルを務めることになった。この間のオーディションで合格通知が来ていたのだ。
スタッフ「Aさんこれ着てもらっていいですか？更衣室あちらにありますので。」
A「あっ、はい。よろしくお願いします。」

こうして着替えて写真撮影が始まった。
カメラマン「うーん、表情が固いな。もう少し笑顔になれますか？」
A「あっ、はい。」

そんなこと言われても今はそんな気分じゃないのに。
そう思うけど必死に表情を作りポーズを決める。
カメラマン「ねえ、Aさん。君はどうしてここのオーディションを受けたんですか？」
A「えっと前からモデルのお仕事は興味があって。やってみたいと思ったんです。私はファッションが好きなのでいいなって。」
カメラマンさんのいきなりの質問にびっくりしちゃったな。
カメラマン「でも今の君では向いてない気がするんだけど？」
A「そんなことないですよ！」
カメラマン「もう一度出直そうか？今日は帰ってくれますか？」
A「ええ？私頑張りますのであの・・・。」
どうしてこんなことになっちゃったんだろうって思った。あの時聞いちゃったことを引きずるなんて本当は良くないことだってわかってる。でも・・・。
Aは深々とお辞儀をしてスタジオを去って行った。

マネージャー「あら？撮影早かったじゃない？」
A「失敗しちゃいました。もう一度出直せって。」
マネージャー「まぁ、初めての仕事だから少し緊張しちゃったのかもね。次は上手くいくわよ。それに彼と誤解がまだ解けていないならファッション誌で思いっきり笑顔を作って見せつけちゃえばいいじゃない？」
A「そうですね。」
何故だろう？こんな感情は初めてだ。どうしていいのか自分でもわからない。勿論何やってるんだ私？と自分を責めたいけど、どうすることもできないもどかしさ。

彼の言葉を気にしてる？そっか、私は気にし過ぎなんだなきっと。
Aは首を横に振りマネージャーとその場を後にした。