新しい日常 ページ2
「っていうことがあったんよ」
「信じられるかこのアホ。」
とある都のとある大きな屋敷の離れ座敷にて少年が二人話をしていた。
話の内容は黒髪に藤色の瞳を持つ若干服が汚れている少年の前世での話である。
少年の名前を鬼舞辻透哉。正式な名は長すぎるので省略させてもらおう。
「前世なぞ、あるわけがないだろう。そんなことばかり言っておるから変人なぞといわれるのだ」
この鬼舞辻透哉の話を否定している少年の名は鬼舞辻無惨。
鮮やかな黒髪に思わず見入ってしまうような赤い瞳を持つ美しい少年であった。
「え〜、信じてくれんの〜?」
「そんな馬鹿な話信じるほうがどうかしている」
「酷い。俺達長い付き合いやん。信じてくれてもいいやん」
「ないな」
「即答!?」
「それに大して長くない。たかが七年だ」
「されど七年やん」
二人は名字を見ればわかるように親戚だった。まぁ親戚といっても遠いもので血のつながりはほとんどないといっても過言ではないくらいだった。しかし、顔立ちだけはとても似ていた。双子と言われても納得するぐらいには似ていた。平安時代なので実際に双子であれば二人はこのように話をすることは叶わなかっただろうが。
だが顔以外は全く似ていなかった。いや正反対といったところか。
性格は透哉が愉快犯で無惨にちょっかいをかけるのが大好きなのに対し
無惨は短気でしょっちゅうイライラしている。
透哉が体が丈夫で身体能力が高く家の塀を飛び越えたり庭の木を登ったりして周りを驚かせたり、木から落ちてもケロッとしているのに対し、無惨は病弱でほとんど部屋から出ることができないほどであった。
透哉の頭は時代を千年ほど先取りしているが圧倒的に無惨のほうが良かった。
そんな二人がなぜ七年もの間親交を持っているのかというと、無惨の父が、「無惨も同年代の子と話したいだろう」ということで親戚の子に声をかけたが、透哉の親以外が病気の人間に子供を近づかせたくないと断ったからでだ。
勿論、透哉は無惨の顔を見た途端喜んで引き受けた。透哉は前世と変わらず美形に弱いのである。
「たかがだ」
「されど」
「たかが!」
「さ〜れ〜ど〜!」
「たかが!!ゴホッゴホッ!」
「大丈夫!!無惨!!」
「ゴホッ、、うる、さ、い、ゴホッ」
「あ"ーーー!!無惨がーー!!」
無惨が血を吐き倒れ透哉が叫びだした。
透哉が無惨に何かして無惨が反応し、言い合いになり、無惨が死にかける。
仲が悪いようで良い、二人の日常である。
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作者名:くろじし | 作成日時:2019年11月23日 19時