Unsung Hero Part3

神聖円卓領域 死の具現化 ページ48

『Aちゃん！それは静謐のハサンではない！！まさに、死の具現化といった存在だ！！』

「死の具現化……？？厄介な……！クー！」

「任せなぁ！！」

狭い場所なので、7騎全員を呼び出すとこちらも危ない。
マシュと、先生にクーの援護を頼み1度だけ即死を阻止する礼装を身に付ける。

「我が身は死そのもの。この聖堂を荒らすのならば、死あるのみ」

「奴さん殺す気満々だぜ」

「とりあえず、話だけでもきいてもらえるようにしないと」

静謐ちゃんが苦無を投げる。
クーは矢よけの加護で避ける。
そのスキに、静謐ちゃんはクーの懐に入る。

「ﾁｯ、暗殺者はホントにやりづれぇな！！」

槍を横に薙ぐが、あっさりかわされる。
続いての攻撃でムーサルトキック。
怯んだ隙に放たれる宝具は、全てを溶かす毒の花。
優しく、されど無慈悲に命を奪う。

「礼装！！『騎士の誓い』！！」

毒が全身に回り、クーの体力が尽きる前に礼装を発動させる。

「あっぶねぇ！サンキュ！マスター！！」

と、槍を構え直しスキルを発動させる。

「さぁ、仕切り直しだ。お嬢ちゃん」

静謐ちゃんが怯み、後ろに下がるが時すでに遅し。
クーの紅い呪いの槍が後を追いかける。

「その心臓貰い受ける！！！刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルグ)！！」

静謐ちゃんは心臓への直撃を避けようと防御姿勢をとるが、先生の宝具により阻止される。

｢ぁぁ…………」

そのまま、静謐ちゃんは倒れた。

「ふぅ、終わりだな。マスター、解毒頼んだ」

「自分のスキルで出来るでしょうに、全く」

と、クーと先生とマシュの傷を癒していると聖堂の奥から骸骨マントが青い炎と共に現れた。

「良くぞ、死を退けた。異邦のマスターよ」

「あ、貴方は……」

「我が名は山の翁。異邦のマスターよ。貴殿らを試す為とは言え手荒い真似をした。謝罪しよう。だが、我が役目を邪魔する事なかれ。此処にいるハサン共を殺すのが我が役目。さぁ、そこを退け異邦のマスターよ」

と、後ろの呪腕さんと百貌さん。そして、今私のすぐ隣に倒れている静謐ちゃんを睨む。

「……役目を邪魔して申し訳ない。けど、今、この人達に死なれては困る」

「何故だ？異邦のマスターよ。そのもの達は、業を背負っている。呪腕のは悪魔の腕を取り付け、愚かさしか掴まなんだ。静謐のは毒に浸した四肢で、野の花すら護れぬ孤独しか手に入れられなんだ。百貌のは無数の知恵を手に入れたが事実は1つの真偽を奪い合う欲望しか無い。何故庇う？」

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