神聖円卓領域 始まりの砂漠 ページ34
なーんなもない砂漠。
立ち尽くすのは私と、マシュ、そしてダ·ヴィンチちゃんの3人。
「追い出されちゃいましたね」
「あのファラオもかなりの無茶振りだよね」
「とりあえず、移動しませんか?先輩、ダ·ヴィンチちゃん」
と、マシュは微笑んだ。
遡ること、1週間前。
第五特異点を修正し、カルデアに帰還した直後の事だった。
マシュが突然、血を吐いて倒れたのだ。
元々、ドクターからは「マシュは不安定な存在で、今まで生きてきたのが奇跡」らしい。
それが、ここに来て奇跡的なバランスで成立していた不安定な状態が崩れてしまった。
「無理を強いるのは、分かっている。だけど、今は君に頼るしかないんだ。Aちゃん」
「はい!任せといてくださいよ、ドクター」
顔に貼り付けた笑顔で、口から出たのはただの強がり。
正直、不安で怖くて、足がすくんでいて…でも、でも、今、ここで弱さを見せたら今までの全てが、綻びていく。
肩にのしかかった重圧を見ないふりをして、笑顔を作って、強く、誰よりも、強く強く強く。
綻びは無いように。欠陥などは無いように。
誰にも、弱さを見せないように。
「マシュを頼んだよ。あの子は普通の女の子なんだよ」
「全く、ドクターは心配性だなぁ…任せてよ!」
ひたすら、笑顔を作る。
年相応の笑顔を。ホントは、ホントは私だって怖い。でも立香先輩に心配かけてはいけない。いや、誰にも心配されてはいけない。
何処かで誰かが、嘆く。
「私は普通の女の子じゃないの?」
「えーっと、あのファラオなんて言ってたっけ」
「確か、一度聖都に行き起こっていることを見てこい…と。まぁ、行ってみる価値はあると思います。十字軍遠征が行われた時代ならば、獅子王と謳われたリチャード1世が召喚されてる可能性があります」
「協力してもらえればいい戦力になる。まぁ、とりあえずだね、カルデアと通信を取るためこの砂漠を抜けようか!」
と、ダ·ヴィンチちゃんはバステトニャンのエンジンをかけた。
いつの間に作ったんだ。
後ろを振り返り、自分達が助けたあの、ニトクリスという、ちょっとおっちょこちょいでお人好しなファラオに心の中で別れを告げ、バステトニャンに乗り込む。
砂塵渦巻く大地の旅。
始まりは砂漠から。
先も後ろも見えぬ砂丘。
6つ目の特異点の旅が始まる。
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星空部長(プロフ) - ナカユ@キーリアさん» ありがとうございます!楽しみにしてます♪ (2018年5月13日 22時) (レス) id: 78599fa8a8 (このIDを非表示/違反報告)
ナカユ@キーリア(プロフ) - 星空部長さん» コメントありがとうございます!オルタニキの所で殲滅ルートは考えていませんでしたwもしかしたら、解説コーナーでも作って大体こんな感じということを開設したいと思っていますので、その時にお答えします (2018年5月13日 22時) (レス) id: bce607513b (このIDを非表示/違反報告)
星空部長(プロフ) - オルタニキの所で夢主以外殲滅されたらどうなってたのでしょうね…更新ファイトです! (2018年4月15日 20時) (レス) id: 78599fa8a8 (このIDを非表示/違反報告)
ロール(プロフ) - ナカユ@キーリアさん» ありがとうございます!申し込みしました!承認お願いします (2018年1月26日 23時) (レス) id: ee26429b75 (このIDを非表示/違反報告)
ナカユ@キーリア(プロフ) - ロールさん» お待たせしました!フレンド枠が空いたので、フレンドになりましょう!よろしくお願いします!m(_ _)m (2018年1月26日 19時) (レス) id: d675145964 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キーリア | 作成日時:2017年7月29日 15時