Unsung Hero Part3

北米神話大戦 序(2) ページ12

｢今回は殲滅だけが目的だったがやめだ。お前以外を殲滅し、お前だけ生かして連れ帰る｣

彼の全身から、殺気が勢いよく放たれる。

｢マスター！来るぞ！！｣

｢全員戦闘態勢！マシュ及びキャスター勢は、前衛の援助を！｣

その言葉と同時に、キャスター勢とマシュは後衛に。残りの皆が前衛に出る。
他の兵士の皆には、雑魚のケルト兵の相手をしてもらう。
流石、バーサーカーと言うべきか。手酷い傷を皆に負わせていく。後衛の援助があるとは言え、あと5分ともたない。

｢▂▅▇██▇▅▂！！｣

｢ヘラクレス！？｣

ヘラクレスが吠え、私の方を見る。

｢分かった！任せた！！｣

頷くと、ヘラクレスが更に大声で吠え、宝具が発動する。

｢ぐっ…このっ…！デカブツが！！｣

槍が、ヘラクレスを身体を抉るが勢いが止まることはなく、クー·フーリンに突っ込んで行く。

｢▂▅█▇▅▂！！！｣

宝具が決まるが、恐らく彼のスキルである戦闘続行が発動する。

｢ダメだ！マスター！1度引け！｣

｢遅せぇ！！蠢動せよ死棘の魔槍…！｣

ダメだ。そう思った時だった。
白霧が立ち込め、そして魔槍を弾き返した。

｢なっ…！？｣

霧が少し晴れ、人影が映る。

｢ちょっとうたた寝しながら歩いていたら、見知らぬ荒野の国。夢の続きか、それとも単なる幻か。まぁ、どっちでもいいんだけどね｣

と、霧の中から白いローブを着た男性が現れる。
振り返り、ニッコリとこちらを見て微笑む。

｢さて、おはよう。そして、こんにちは諸君。皆の頼れる相談役、マーリンさんの登場だよ｣

アルトリアが凄い顔してるのが目に入る。いやそれより、マーリン？マーリンだって？？

｢何だ？あの、とっぽい兄ちゃんは！？｣

知らないんかーい！と内心立香先輩にツッコム。

｢塔の中に幽閉されてるんじゃ……？｣

｢おや？私を知ってるのかい？うんうん。それは、嬉しいねぇ。君ともっと話がしてみたい所だけど、それはまた今度だ。今回、お忍びだからね。やったね！ラッキー！位に思っておいて欲しい｣

忌々しげに、クー·フーリンが口を開く。

｢テメェは、何処のボンクラだ？これは白昼夢って奴か？｣

｢勿論だとも！これは私の十八番、相手を煙に巻いて何とかする戦法さ。まぁ、今顔を合わせると不味いのが居るけど、それはそれ。戴冠おめでとう、
クー·フーリン。アイルランドの英雄が玉座に落ち着く日が来るなんてねぇ…いやはや、運命とは分からないねぇ｣

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