Unsung Hero Part3

神聖円卓領域 東の村 ページ42

「この辺りだよ。もうすぐ村に着くから、お姉ちゃん達頑張って」

「………おーけぃ……頑張る」

ルシュド君に案内され、東の山にあるという村に向かっていた。
勿論、村の有無や無事かなどはアーチャーの皆が偵察してくれたので充分信用できる。
ただ………。

『山3つってかなりハードだよね』

「まーた、筋肉痛ですよ。土踏まずがすっげぇ痛いです」

『あはは、後で医療キット送るね』

「おのれ、他人事だと……！医療キットと、水筒もお願いしますね！大福食べた跡が残るドクター！」

『えっ』

「ドクター…？また、私の楽しみにしていたおやつを食べましたね……？」

『あっ、いやこれは……！ほら！大福の賞味期限が切れたらヤバいかなって…』

「だとしても、私に断りを入れず無断で食べるとはどういう了見ですか！ドクター！！」

『帰ってきたら僕の取っておきのデザートあげるから！！盾を構えないで！！』

と、懇願するドクターをよそに土踏まずにもう少し耐えてくれと心の中で願いながらルシュド君に続いた。

「ここは、聖地に1番近い村だ。東の村の人達が聖地に祈りを捧げるために、東の村を作った。……我々が行く村はそんなところだ。受け入れてくれるといいが…」

「今は聖地があんな状態ですからね……信仰の拠り所だけでなく命までもが…」

ルキウス……改めベディヴィエールは顔を悲しげに俯かせた。
ルキウスと名乗った青年は、恐らく正体を偽りたかったのだが、昨日速攻でバレた。
巨大幽霊の襲撃後、うっかりフードが取れアルトリアと遭遇。

「ベディヴィエール卿！？」

「いや、その…私は…」

「何故、貴殿がここに！？いや、というか、何故、円卓の騎士があの聖地に大集合してるのですか！？聖杯の祝福とか何とか言ってましたが、どうなってるんですか！？」

と、怒涛の質問攻めを食らっていた。質問に答えられない事が多いせいかアルトリアは不満顔だったが、かなり有益な情報を彼から聞き出せた。驚いたのは、

円卓の騎士大集合の訳はあの獅子王だということ。

だった。
若しかしたら、あのオジマンディアス王がその獅子王のカウンターとして呼ばれたのでは？と思った。が、既に聖杯持ってるので何とも怪しいものである。
その時だった、小刀が近くの岩に突き刺さった。

「知ったような口を、聖地を穢した騎士が何を言うのやら」

「マスター！サーヴァント反応です！」

マシュの言葉に、飛んできた方向に目を向けると黒いマントの人が立っていた。

お知らせ→←神聖円卓領域 更なる逃走

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す