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特異点F プロローグ ページ5

酷い、地獄の様な熱さだった。
あぁ、死ぬんだ…そう思った。
それでも…良いかな…もう…もう…









私が生きている時間など、無いのだから。


「先輩!!熱いからってへこたれないでください!!」

「うぐっ…俺熱いの嫌いって知ってるよね!!あづっ!!」

声だ。あの人達の。
逃げなかったの?どうして?なんで?


「いた!!おーい!Aいたよー!そっちはー!」

「いませーん!!今、そっちに合流しまーす!!」


しばらくして、先程知り合った先輩方が私の前に揃った。
よく見ると、顔も心做しか青ざめている。
足は…立香先輩は生まれたての子鹿の如く、A先輩は足というより手が、震えていた。
怖くてたまらないのだろう。
今すぐ、逃げたしたいのだろう。
でも……二人共そんな事はしなかった。

「マシュ!!大丈夫か!今この鉄骨を…あっっっっつ!!!」

「先輩!!手から黒焦げになりたいんですか!!マシュ!!良かった!生きてるよね!!??」

「先輩……でも、私は…もう…」

うまく、呼吸ができない。
息を吸い込もうとして、むせ返る。

「嫌だ!絶対諦めない!!A!!」

「はい!!先輩、数少ない男を見せる時ですよ!!」

「やってやんよ!!これで俺彼女できるカナ!!??」

でも、2人の先輩の力も虚しく私の上にある鉄骨は動かない。

一際大きく近くで爆発が起る。
爆風で飛んできた、鉄の破片が先輩方に容赦なく降り注ぐ。

「先輩…」

「どうした?マシュ?辛いのか?やべ、ハンカチ持ってねぇ」

「マシュ?どこか、痛いところでも…」

「いいえ…大丈夫です。先輩方……手を握ってくださいますか?」

すると、先輩2人はキョトンとして顔を見合わせた。
そして、こちらに向き直り2人して笑顔を浮かべるとしっかりと私の手を握ってくれた。
鉄の破片が刺さりかなり痛いはずだ。
怖くて、泣きたくて、逃げ出したい筈なのに。
彼等は、笑っていた。

「大丈夫。俺らはここに居るよ。マシュ」

「大丈夫だよ。マシュ。大丈夫」

「…はい…」

嬉しかった。ただ、単に嬉しかった。









そこで、意識が遠のき声が聞こえてきた。

特異点 F その1 燃え盛る街→←始まりは、炎から



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設定タグ:Fate/GrandOrder , 夢小説 , 冒険鯖ぐだ要素あり   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:キーリア | 作成日時:2016年10月2日 21時

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