邪竜百年戦争 オルレアン 聖女と騎士 ページ24
｢アレキ君！もう一度！！｣
｢わかった！行くよ！ブケファラス！！｣
宝具で、現れたキャスターの体力を減らす。
後方支援の先生とジャンヌも流石に疲れてきている。
これ以上の持久戦は不味い。なにか、一撃必殺の…
｢…そうだ！クー！宝具だ！｣
｢嬢ちゃん、流石にもう一度宝具撃てるだけの魔力はもう無いぞ！！｣
と、クーが言う。
｢マジかよ……！｣
何か、と頭をフル回転させる。
そう言えば、クーさんが令呪なら宝具の解放なんて1発だよな、とか何とか言ってたな！冬木で！
｢クー！｣
｢何だ？嬢ちゃん…って何やってんだ！アンタは後ろに…何してる？｣
全速力でクーに駆け寄り、クーの手を握る。
右手にある、令呪が紅く光り熱くなる。
次の瞬間、令呪が1画消え失せる。
それと同時に、クーに魔力が行き渡った。
｢敵は、お前の目と鼻の先だ！！貫いて見せろ！その魔槍で！！！｣
｢……なるほど！その、命令しかと聞き届けた！我がマスターの敵よ！その心臓貰い受ける！！｣
好戦的な光を宿した目は、敵のキャスターに向く。
手を離し、他のサーヴァントに後ろに下がるよう指示を出す。
｢ゲイ！！ボルグ！！！｣
紅い一閃が敵のキャスターを貫く。
｢ぐあっ！おのれ………！！｣
と、力尽きたように敵のキャスターが倒れ込む。
｢戦闘、終了です。マスター｣
どうやら、敵のキャスターは死んだ様だ。
｢良くやった。クー｣
｢おう。いやーしかし良いもん見れたわ｣
｢何のことだ？｣
と、笑いながら言ったクーに素直な疑問をぶつける。
｢いんや、内緒だ。内緒｣
｢あっそ｣
素っ気なく返し、廊下を走り出す。
途中、暴れ回ったせいか廊下がぶっ壊れていて外の様子が分かる。
｢あれは…！フランス軍！｣
｢分かるの？ジャンヌ｣
｢はい。アレはフランス軍の旗…！あぁ、ジル。貴方も戦っているのですね｣
さっきのキャスターか？と思ったら、馬に乗った人影がこちらには向かってやってきた。
｢ジャンヌ！ジャンヌなのですか！？｣
｢ええ！ジル！貴方はどうしてここに？｣
｢この身は、フランスとジャンヌに。そう、貴方の為にと。私も戦います！どうか、一緒に！｣
｢いえ、いけません。この先にいるのは、貴方ではかなうことのない敵。一緒にはいけません｣
｢そんな…｣
｢ですが、共に戦う事は出来ます。どうか、市民を守って下さい｣
｢…分かりました！このジル必ずや！！｣
と、去っていった。
ロビンが、これだから騎士はと、言った。
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作者名：キーリア | 作成日時：2016年10月2日 21時
