邪竜百年戦争 オルレアン 偽物 ページ17
｢そうか…死んで間も無く英霊としてね…そういうことでいいかな？ジャンヌ｣
｢はい。おそらく、何かの抑止力として私は喚ばれたと思うのですが…｣
｢それがわからない、と｣
｢はい。情けないことですが…｣
と、これまで分かった事、ジャンヌの事を話し合う。
なんでも、死んだものと思われたジャンヌ・ダルクが竜を率いてシャルル王を殺し、己の憤怒が赴くままフランス中を破壊、蹂躙しているという。
フランス兵曰く、復讐の竜の魔女、と。
｢うーん…やっぱりそのジャンヌを語る竜の魔女の抑止力としてじゃないかなぁ｣
｢そう、なのでしょうか…｣
ドクターと立香先輩、ダ·ヴィンチちゃんと相談した結果竜殺しを探そうという結論に至った。
いや、既にかの有名なドラゴンスレイヤーさん基ジークフリート居るんですけどね。
『ほら、聖ゲオルギオスとか』
｢あー、竜退治の逸話の聖人か…それなら聖女マルタじゃないかな…うーむ…｣
と、ここ数日オルレアン中を駆け巡っているものの竜殺しの話をチラッと聞くだけでワイバーンの襲撃は止まないし、こちらとしても消耗戦は控えたい。
｢マスター、竜殺しがこの先の街に滞在してると聞いたのだが｣
｢あ。先生お帰り。この先の街かぁ…やな予感がするなぁ…｣
『まぁ、そこに行ってみてくれ。Aちゃん』
と、気乗りしないままその街に向かった。
嫌な予感というものは、ほんとに当たるよね。
『サーヴァント反応だ！皆！気をつけて！』
そこで目にしたのは、黒いジャンヌ。何？2Pカラーなの？
｢あら？珍しい客人ね……貴女も居るとは心外ね、偽物｣
｢なっ………貴女は何者なのですか！！私の名を語り、フランス中を蹂躙する貴女は！｣
｢ジャンヌ・ダルクよ。偽物さん。まぁ、何て間抜け面なのでしょうね。これなら私が直接手を下すこともないわ。後を頼みますよ？ヴラド三世、カーミラ｣
と、だけ言い黒いジャンヌはワイバーンで飛び去ってしまった。
『サーヴァント反応2体確認！来るぞ！』
｢先輩！指示を！｣
｢構えろ！迎撃だ！！｣
私の飛ばした指揮に皆が応える。
ヴラド三世……またの名をワラキア公爵。
そして、カーミラと名乗る女性は間違いなく、エリザベート·バートリー……血塗れの婦人。
西欧を代表する吸血鬼のモデルの皆さんは、狂化されているらしく恐ろしく強い。
｢手をお貸ししますわね、可愛い異邦のマスター｣
と、とても上品な声が聞こえた。
振り返ると、可憐な王妃様が居た。
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作者名：キーリア | 作成日時：2016年10月2日 21時
