特異点F その5 First Grand Order ページ11
｢……私の負け、か…………｣
と、まるで満足したかのようにセイバーは消えていった。
｢終わった…？｣
｢多分……？｣
と、立香先輩と顔を見合わす。
すると、クーさんの体が透け始めた。
｢うぉっ。わりっ、今回はここまでだ。次俺を呼ぶ時があったら、そうだな…………ランサーかバーサーカーで頼む！！｣
と、消えていった。
何か、物騒な事言わなかった？あのキャスター。
『ｰｰｰｰｰよし、皆無事だね。帰還の準備を｢……余計な事をしてくれたものだな｣ｰｰｰｰｰ貴方は！！』
通信の声を遮るかのように聞こえてきた声の方向に振り向く。
そこには、レフ教授がいた。
｢レフ！！貴方、無事だったのね！！早くカルデアに帰りましょう！マスター候補生が軒並み意識不明で……レフ？｣
と、笑顔を浮かべレフ教授に所長は近づいていく。
｢………所長駄目だ…行っちゃ…駄目だ…！所長！！｣
｢立香先輩！？｣
と、所長の後を追うように追いかける立香先輩。
｢マシュ！先輩を！｣
｢はい！｣
マシュに先輩の捕獲を任せて、ロビンにレフ教授を射撃するよう頼む。
矢がレフ教授一直線に向かい、突き刺さる………その瞬間見えない力で弾かれた。
｢ふん………なんという無様な足掻きよ。だから貴様ら人間は醜いのだ。｣
｢レフ？レフよね？私、貴方がいないと何も…｢煩いぞ！！小娘！｣………レフ？｣
レフ教授は、まるで悪鬼の様に顔を歪ませながら所長を睨んだ。
｢そろそろ、現実を見ろ。小娘。優しく、接してやればつけあがりやがって…………まぁ、良い。所長、いいことを教えて上げましょう｣
と、所長の肩に笑顔で手を置いた。
｢所長ーー！｣
｢立香先輩！落ち着いて下さい！先輩！｣
｢離せ！マシュ！！所長が…！所長…が！｣
その時、だった。レフ教授の後ろの空間が歪み、あのカルデアにあった球体が現れる。
｢カルデアス……どうして、真っ赤なの？レフ！貴方何したの！！私のカルデアアスに！！｣
｢はぁ、全くアレはお前のカルデアスではない。…おっと、伝えていなかったな。お前は既に死んでいるのだよ。オルガ｣
｢なっ……え？だって、私は…ここに｣
｢そう、君はここに居る。それは、君が死に魂だけとなった君をメルトトギスは丁寧にここに送った。君は死んでやっと念願の君が欲しかった適性が手に入ったという事だ！｣
｢何よ……それ…｣
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作者名：キーリア | 作成日時：2016年10月2日 21時
