転生したら転スラの世界だった！？Fifth (ページ6)

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放浪ページ6

???

私は、無能何だそうだ。

フォルゲンとか言う兵士に、そう伝えられた。

だから、この場所に残る意味が無いんだと。

律儀に地図を渡して、今何処に居るのかまで教えられた。

この世界は元居た世界とは大きくかけ離れた地形だった。

森の方は危ないらしく、なるべく近寄らないようにしたい。

なので、当てになるのはイングラシアと言う国だけだとか。

無能だからこそ私を他の国に行かせようとしているんだと丸判りだ。

イングラシア王国以外の国には、大体がデメリットしか話されて居ないから確信出来る。

だがしかし、私は今無一文であり、フラフラと一人で出歩くのは余りに危険だ。

誰かに頼るしか無いのだが…フォルゲンの奴は援助のつもりは無いようだった。

地味に腹が立つ、適当に呼ぶだけ呼んでおいて、失敗したらこうなのだから。

仕方無い、地道にどうにかして国境を渡るか。

と思えば一応、フォルゲン兵士は銀貨を私に寄越した。

これがこの世界の通貨なんだそうで、個人として出してくれたようだ。

意外に良い奴だ、使える。

フォルゲン兵士はそれを受け取ったのを見ると、城へと戻って行った。

彼奴なりの慈悲だったのだろうか、私を外に出したのは。

だが、実際にそうだったのだとしても、私には関係の無い話である。

問題は、この銀貨だけでどの位生きられるかどうか、だ。

下手すれば、減らさないように野宿、とか有り得そうだったから。

とにかく、日が傾く前に歩かなければ。

生憎、街の人々に言葉は通じない筈なので、今後黙って行動する事になりそうだ。

大丈夫、私は黙って行動するのが得意だったじゃ無いか。

考えながら、私は売り場の果物を無造作に手に取る。

店番の人に出すと同時、銀貨を一枚だけ出して見た。

困ったような顔で意味不明な事を言う店番。

フォルゲン兵士から受け取ったのは、大体七十程度だ。

多分、これだけだと足りないとでも言いたいのだろうか。

言語が通じないとは、とても面倒だ。

五枚程度出してみると、今度は焦るようにこちらを見て来た。

足りないのでは無く、充分すぎるのだろうか。

試しに銀貨を減らし、手に取った果物をまた足して見る。

銀貨一枚に対し、果物十五個だ、寧ろ足りないのではなかろうか。

店番は渋々私に果物を渡して、お釣りを数え出した。

これでもまだお釣りが来るのか、銀貨の価値は高いな。

とにかく価値は判ったし、食料確保は出来たので、お釣りを貰い、私は歩き出した。