転生したら転スラの世界だった！？Fifth (ページ44)

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私はあんたをページ44

見覚えのある人間達と対峙する。

『変わってないな』
ﾌｫﾙｹﾞﾝ「……？」

たった二年前のことも覚えていないのか、酷いな。

??「き、貴様は誰かと聞いておるのだ！余の、余の言葉が聞けぬのか！？」

ああ、煩い。

聞こえなかったら喋れる訳が無いだろうに。

言語の分からなかった時期を思い出せば、自然とそんな文句が浮かんだ。

『……………』

ふむ、なるほど。

金髪、黒髪、白髪、髪なし。

??「王よ、今直ぐ片付けます。どこから潜り込んだのか知らぬが、小娘。悪く思うな」

こちらは覚えていないか。

いや、私も此奴とは初対面のはずだが……妙に引っかかる。

恐らく日本人だとは思うのだが──何故この国に従う？

召喚者は大体召喚主に不満を抱くと思っていただけに、意外だ。

ﾌｫﾙｹﾞﾝ「その前に、少しお待ち頂けますか？こちらの戦力になるやも知れません」

フォルゲンは、私を取り込む気か。

ということは私のことを思い出したのだろうか。

言葉も話せなかった私が生きているということは、そうできる何かを持っていることになる。

だからこその行動だろうな、私でもそうしたはずだ。

王「おお、そうなのかフォルゲンよ！
　この子供が役に立つかは分からんが、早う国に帰れるならば任せよう！」

勝手に話が進んでいく。

この場にいる全員が王と呼ぶので、多分本当に王なのだろう。

──外では未だに、光の乱舞が続いている。

それを見たのだろうが、流石にみっともない。

乃愛にはとても見せられない粗相をしているので、この場にいなくて本当によかった。

『覚えていたのか？』

最後の一応の確認に、私は問うた。

ﾌｫﾙｹﾞﾝ「……確か、リンだったか？」

ふうん……名まで覚えてくれているとは、光栄なものだ。

『単刀直入に言おう──』

──死んで貰う。

隠す事もなく告げると、少しばかり驚いている素振りが見られた。

まさか、私がお前を害せないとでも思っているのか？

私の振り下ろした刀に反応できていないのに。

昔は直感的に刃向かえない人がいたので、正直諦めていたのだ。

しかし、乃愛がこの体に身につけた力が、どうやら私に刻まれた呪いの類を打ち払ったらしい。

それに気がついたのは割とさっきなのだが……とにかく私は、既に誰に対しても自由なのだ。

私を喚んだこと──何より、乃愛を傷つけたこと──後悔させてやる。

返事など期待していない。

だって今し方、その首を取ったから。