転生したら転スラの世界だった！？Fifth (ページ34)

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生死ページ34

ねえ、リムル。

私ね、会いたい人が居るの。

此処、凄く寂しいから。

誰も、見てくれないし、聞いてくれないから。

……。

知ってるよ、きっとリムルにだって、見えないんだって。

だけど、一人でも話し続け無いと、気が可笑しくなりそうだから。

ﾘﾑﾙ「スマン、暫く、一人にしてくれ………」

私は、此処を動かないよ。

最期位は、一緒が良い。

本人には判らないだろうし。

そう思った時、それは起こった。

『ぅ…』
ﾘﾑﾙ「！！」

私(・)が動いた。

リムルは反射的に私の身体を抱き起こした。

この人は一体、誰なんだろう。

私の思考はこっちにあるので、別の誰かだと思う。

開いた瞳が一瞬揺らぐと、数回瞬きをして。

『せ…んせ…ぃ？』

先生？

ﾘﾑﾙ「Aっ！！」

覗き込むように私に顔を近付けると、私の名前を呼んだ。

『此処は…』

冷徹な目が、リムルを捉えて居た。

ﾘﾑﾙ「魔国連邦(テンペスト)だよ、大丈夫だったか、A？」

この人は、私とは正反対の目つきをして居る。

…正反対？

あれ…私…本当に正反対なのかな…。

何故か、そんな考えがぐるぐると頭を回る。

『…あんたは？』

───この言葉を聞いた瞬間、私の中で思考がカチリと嵌まった。

そうだ、この人は……。

凛だ。

あの時私に宿った光の精霊の自我が、凛だったのだろうか？

それとも、私の内側に眠って居たのかな？

ﾘﾑﾙ「え…？」

リムルが動揺した。

それは当たり前だろう、だって、知って居る人に忘れられては、そうもなる。

実は、あれは私では無いのだけど、知る事は無いと思う。

『…あぁ、ごめん』

凛は辺りを見渡して、私と目が合った、気がした。

まさか、見えてたり…？

ﾘﾑﾙ「なぁ、お前は？」

あ、リムルが私──と言うか、凛──に気が付いたっぽい。

『…私、は』

凛は、一瞬だけ私の方向を見て、話した。

私を見て居るように見えるのは、気のせいだろう…。

『──いや、それよりも。乃愛と言う人をご存知で？』

それって、私の前世の名前。

私を探して居たと言うのは、本当だったんだ。

まあ、疑っては居なかったけど…。

何か、考えがあるんだろう。