転生したら転スラの世界だった！？Fifth (ページ29)

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硬い氷ページ29

リムルside

ミュウランは言った。

──付いて来て下さい──と。

ミュウランが向かった先は、先程から俺が近付か無いように止められて居た広場だった。

そして、その場所で──。

俺の前に現れた、その光景は。

無数の、横たえられた街の魔物達。

男女関係無く、そして子供も居るようだ。

俺は近付いて見る。

寝かされて居るその魔物達は────。

死んで居た。

──一体、どうしてこんな事に！？

足元が崩れそうになる。

どう言う事だ、一体何が？

駄目だ、混乱する。

横たえられて居るのは七十名程か。

え……？全員……死んで居るのか………？

嘘だろ──ッ！？

動揺する俺に、人鬼族(ホブゴブリン)の長老の言葉が聞こえた。

長「我々はリムル様の申し付けに従い、商人達を受け入れて丁寧に接して居たので、
　まさかそのように紛れ込む者がおるなどと──」
ﾘｸﾞﾙﾄﾞ「ば、馬鹿者！それでは、リムル様に責があるようでは無いか！！」

リグルドが遮るが、既に遅い。

はっきりと聞こえたその台詞が、責めるように俺の心を打ち抜いた。

謝罪の声も聞こえた気がするけれど、俺の心に届か無い。

──そうか、俺の命令……俺の言葉が、原因だったのか……。

俺は魔物なのに。

──それは、俺が元人間だったから。

ただ人と仲良くしたかった。

──けれど、現実は甘く無い。

だったら、どうするのが正解だったんだよ──ッ！？

──さあ？それを考えるのも、俺の役目だ。

そんな無責任な心の声が、激しく俺を責め立てる。

思考が上手く働か無い。

必要も無いのに、息が荒くなるような感覚がある。

ある筈も無い心臓が、激しく鼓動するような錯覚に陥った。

激しい後悔と、止め処無い怒りが、心の底から湧いて来るようだった。

ﾘﾑﾙ「どう言う事だ…何があった？」

自分の声が遠かった。

冷たく、遠くで聞こえる他人のような声。

俺の中の感情が、全て凍り付いてしまったように感じる。

こうなってしまったのも……俺の…。

俺の、せいなんだ…。