転生したら転スラの世界だった！？Fifth (ページ20)

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思いページ20

痛み何て吹き飛んだ。

今、今ヒナタが言った名前…。

凛？

『な、んで…』

何でその名前を？

言葉が繋がら無い。

ﾋﾅﾀ「…そう、そうなのね。あの魔物に操られて居るのね」

ん？

誤解だ、これは不味い状況になって来た。

言葉が繋げられ無かったせいで、リムルに操られて居ると思われてしまった。

だが誤解は解けない、戻って来た頭痛に声が出無かった。

ﾘﾑﾙ「A！」

駄目だ、誤解が深まってしまう。

ﾋﾅﾀ「…成る程、解ったわ。今助けるから」

凛、と言う名前に上書きしたのだと捉えられて居るようだ。

その言葉を最後に、ヒナタはリムルに攻撃して行った。

ヒナタを見る必要が無くなり、私は静かに呼吸を整える。

ﾘﾑﾙ「A！先に魔国連邦(テンペスト)に戻ってくれ！」

そうだ、魔国連邦(テンペスト)！

完全に失念して居た、早く行かなければ危ない。

『解った』

私は全力で走り出す。

ﾋﾅﾀ「待って、凛」

思わず止まりそうになった。

いけない、集中が出来無い。

期待を抱いても、今はどうしようも無いのに。

もしかしたら何て、今だけでも思っちゃ駄目なのに。

振り向か無いよう無理矢理体を動かした。

私の疾走は、直ぐにヒナタとリムルの戦闘音が聞こえ無くなる程、速かった。

結界を抜けるまで、それまでの間だ。

『希願之王』による魔素を体力に変換する力業をしながら、私は走り続ける。

《告:もう直ぐ二キロ地点です》

漸く、結界の外側が見えて来た。

半分転がり込むように結界外へ脱出した。

やばい、あの荒技のせいでもう体が動か無い。

あの結界内では、魔素を多く使うせいで残りは少ない。

『エトワール…』

絞り出した声に、私の影からエトワールが出て来た。

何時もの大きさとは違った。

(A様、魔国連邦(テンペスト)ですか？)

背中に乗りながら、私は答えた。

『魔国連邦(テンペスト)までで良いね、行くよ』

端的に言う私に、何時もと違う何かを感じ取ってくれたようだ。

私の周りに、転移魔法陣が展開される。

『希願之王』が、座標指定してくれているのだろう。

もっとも最適な到着点を。

私は呼吸を整えながら、大気中の魔素を固める。

リムルが着て居たような服を象った。

仕上げに黄色のマフラーで首を飾る。

私の焦げ茶髪も固定されて居るので、戦いやすい筈。

そう、私が戦う。