転生したら転スラの世界だった！？Fifth

聖騎士 ページ16

旅立ちの日。

クロエやアリスだけじゃ留まらず、ケンヤ達も泣き出して居た。

この世界では十五歳が大人で、私は前世の年齢を換算すれば十四歳だ。

でも、もう直ぐ十五歳だと言う事で、丁度卒業となった。

ケンヤ達──特にアリスとクロエは私に向かって愚痴りまくってたが。

リムルが行ってしまうと言う事、私も付いて行って居なくなると言う事。

同時に会えなくなると寂しくなるのだろう、きっと本心を隠して愚痴ったのだと思う。

だけど、勉強は大切だ。

まず間違い無くシズさんもそうだと賛成してくれる自信がある。

それに私には、既に帰るべき場所がある、帰るべき立場があるのだ。

素直に子供達で話し合って決めてくれたから、私達としても説得の必要は無かった。

もう未練は無いんだ、そう、何も……。

…個人的に気掛かりなのは、あの子に似た精霊…。

しかしそれは、悪魔で私個人としての問題だ。

この国の問題では無いから。

子供達は此処に安心して預けられるのでね。

何時までも泣いて居るクロエに、リムルが仮面を渡した。

ケンヤ達には私から、朱菜の作った衣服を渡す。

これで、きっと笑顔で別れられる筈。

その内に、私達は。

国境から離れた。

郊外に出たので、リムルが『空間転移』を発動しようとする。

《告:広範囲結界に囚われました。結界外への空間干渉の封印…抵抗(レジスト)に成功しました》

だが、どうした事か、発動しないようだ。

理由は、『希願之王』の言った通り。

究極能力(アルティメットスキル)を持った私だからこそ、まだ使えるのかも知れない。

蒼「り、リムル様、A様、お逃げ下さい──」
ﾘﾑﾙ「何があった？」

蒼影が出て来て、危険を知らせた。

その姿は、消えかかって居る。

蒼「敵です。それも、想像を絶する強さの───」

言い切ったのか、そうで無いのか、蒼影は消えてしまった。

リムルが保険を掛けた所で、また警告が頭に響く。

《告:広範囲結界に囚われました。結界内での能力(スキル)使用を封印…抵抗(レジスト)に成功しました》

幸い、私だけは何の影響も無かったようだ。

ﾘﾑﾙ「嘘だろ…？一体何が起きて居る？」

リムルを見られ無い私への問い掛けだろう、私は、横にただ首を振る。

暫くの沈黙。

ピリピリと感じる空気の中で、その人は来た。

??「初めまして、かな？もう直ぐサヨウナラだけど」

そう、聖騎士団長、坂口日向(ヒナタ・サカグチ)である。

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