転生したら転スラの世界だった！？Fifth (ページ13)

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危ない救助ページ13

リムルside

Aに宿った物が何かは判らなかったが、とにかく全員成功して良かった。

…と思ったのだが。

精霊が宿った時、Aが寂しいような、怒って居るような表情で。

しかし、そのどれもに該当した泣き顔をして居た。

二年間は共に過ごして居たが、あんな辛そうにして居た事は無かった。

それだけでは無い。

戻って来る瞬間の少しだけ、俺と目が合ったその小さな時間で、苦しそうに頭を抱えて居た。

最初は、泣いた頭で振り返った事が原因なのかも知れないと考えたが、絶対に違う。

俺の顔を見ていた時だけだったからだ。

だが、拒絶と言う訳では無さそうで、逆に何かを思い出そうとして居るようにも見えた。

一体何がAを苦しめたのだろうか？

ケンヤ達もAの異変に気付き、慌てて駆け寄った。

ラミリスまで飛んで心配して居たので、よっぽどの事なのだろう。

ﾘﾑﾙ「本当に大丈夫か？」

仮面を被ってから動かないAに、不安を感じて声を掛けた。

『…うん』

何時もよりずっと落ち着きのある返事。

きっと何かを考えて居るのだと察して、Aを支えて立ち上がらせた。

今更だけど、Aに宿った精霊は何だったのだろう。

《解:光属性であるのは確定です、何らかのイレギュラーが混じって居たと考えられます》

イレギュラー？クロエに宿った精霊に似た何かみたいな物か？

それがAをああならせた原因ならば、分離すれば良いんじゃ無いか？

《告:個体名:Aと光の精霊を分離する事は可能です。
　しかし、イレギュラーを分離するのは不可能です》

と言う事は、光の精霊とそのイレギュラーは全くの別物だと、言いたいのだろう。

《告:正確には分離は可能です、個体名:Aの精神を物質体(マテリアル・ボディ)からも分離する事になりますが》

やる訳無いだろうが！！

思わず怒鳴りたくなった。

精神を引き剥がすだなんてAが許可するかも怪しいし、分離した後どうなるんだっての。

ならば、Aを助ける手立ては今は無いと。

何も出来無い自分に、少し腹が立った。